鉄道愛好家でつくる三陸鉄道(三鉄)関西応援団は5月、最後の被災地支援となる応援乗車企画を実施する。3月23日㊏の三鉄リアス線全線開業を機に、活動に区切りをつける。岩出市の宮下博之代表(53)は「きのくに線は海岸線、和歌山線は中央構造線のそばを走り、私たちがいつ被災者になってもおかしくない。地域再生の核として力強く復興する三鉄の姿をぜひ目にしてほしい」と望む。

愛好家有志が活動に区切り

 岩手県のリアス式海岸に沿って約100㌔を走る三鉄は、震災で線路や駅舎が壊滅的な被害を受けたものの、被災5日後に一部区間で運行を再開。人々に希望を与え、NHKドラマ「あまちゃん」のモチーフになった。

 応援団は2011年7月に立ち上がった「三陸鉄道を応援する会わかやま」が前身。宮下さんら県内の鉄道愛好家が、三鉄から仕入れたグッズを地域のイベントで販売して送金したほか、被災地に赴いて乗車することで三鉄を支えた。12年9月に現地を訪れた宮下さんは「駅を含む集落が丸ごと流された地区もあり、光景を目にした時はショックでした。その思いを復興支援の力にしてきました」。

 南リアス線と北リアス線が復旧した14年に、関西一円の鉄道愛好家を加えた応援団に改称し、毎年、有田みかんを贈っている。今回、南北リアス線を結ぶ旧JR山田線の復旧と、三鉄への運営移管により、全線をリアス線として開業することになった。

 最後の応援乗車は5月3日㊎午前6時38分、JR和歌山駅を出発。現地で防潮堤や被災したホテルをガイドの案内で巡る。5日㊐午後9時23分、JR和歌山駅帰着。宿泊、交通費など約7万円。希望者は氏名、乗車駅、携帯電話番号を宮下さんへFAX(0736・61・4197)。4月16日締め切り。宮下さん(FAXと同じ)。

写真=2012年、三陸鉄道へ応援乗車に行った

(ニュース和歌山/2019年3月9日更新)