読者の皆さんから届いた、和歌山に関する疑問・質問に答える「和歌山謎解き代行社」。今回の依頼は、和歌山市の藤木洋子さんからの「和歌山に飛び地があるのはなぜ?」です。

 地図を見ると、新宮市の一部と北山村が、和歌山県でありながら奈良県と三重県に囲まれ、飛び地になっています。

 村がまるごと飛び地なのは全国で北山村だけで、人口は現在450人。花粉症に効果があると期待されるじゃばらが特産の北山村は、なぜ飛び地になったのか。答えは明治時代の廃藩置県までさかのぼります。

 


 

村民の意見を尊重したから

 「和歌山に飛び地があるのはなぜ?」。その答えを、北山村教育委員会の薮本幸一教育長に聞きました。「確かな文献は残っていませんが、1871年、廃藩置県の際に新宮市が和歌山県に編入されると聞いた村民が、『新宮市が和歌山県に入ったのなら、ぜひ私たちも』と言ったためだと伝わっています」

 村の97%を山林が占める北山村は、古くから良質の吉野杉に恵まれ、林業が盛んでした。切った木は北山川を利用し、いかだにして新宮市まで運んでいたため、経済的な結びつきが深かったのです。「平成の大合併」では、近隣の市と町との合併話が持ち上がったものの、村は単独の道を選びました。

 薮本教育長は「住民が希望したとの説のほかに、山や谷などの自然環境を基準に区域を分けた際、北山村だけ存在を忘れられたという話もあるんですよ…」。

 豊かな自然に包まれ、ゆったりとした時間が流れる北山村。近年は道が整備され、ぐんと近くなりました。今年も始まった村の名物、いかだ下りを体験しながら、歴史に思いをはせてみてはいかがでしょうか?

(ニュース和歌山/2019年5月25日更新)