日本の食卓に欠かせない豆腐を半世紀以上にわたって作る和歌山市園部のナカシタトウフ。濃厚な豆乳を材料に、大豆本来の甘みを堪能できる商品を提供する。この道25年の3代目で、日本豆腐マイスター協会のマイスター認定座学講師資格を県内で唯一持つ前田宗治専務(49)に思いを聞いた。

濃厚な豆乳使い

──木綿に絹こし、おぼろ豆腐にざる豆腐…。多彩な商品がありますね。

 「人気の『十六とうふ』は濃度16度と濃厚な豆乳をぜいたくに使います。この他の商品に使用する豆乳も13度ほど。スーパーなどで安く売られているのは8〜10度ですから、かなり濃い。とろっとろで、口当たりがなめらかな『銀のおぼろ』は、3年前の全国豆腐品評会で農研機構賞をいただきました。最近はテレビで紹介されて話題のおからパウダーも扱っています。細胞を活性化させる効果のある水素の粉末と30種以上のミネラルを含むヒマラヤ岩塩を加えた新たなおからパウダーもまもなく発売します」

──豆腐作りの特徴は。

 「作り方としてはまず、大豆を水に一晩漬け、その後、水を加えて豆を砕き、ドロドロにして、生呉(なまご)の状態にします。次にこの生呉を、一般的にはおけのようなものに入れ、ボイラーの蒸気で炊くんですが、それだと配管内のサビのような不純物が入る可能性がある。うちの場合、パイプを二重にし、内側のパイプに生呉、外側のパイプに湯を流すんです。73㍍あるそのパイプを通す中で間接炊きします。ここ最近、この方法を取り入れる会社が増えていますが、うちは20年以上前から。衛生管理を徹底しています」

──ほかにこだわりは。

 「豆乳を濃度16度まで濃縮する際は真空状態にします。こうすると沸点が60度に下がる。熱に弱いタンパク質が傷まない低い温度で加熱するんです。うちの豆腐は値段が高いと言われますが、見た目は一緒でも濃さが違う。濃いとコクが出るし、大豆本来の甘みがストレートに味わえます」

 

マイスターを養成

──創業は。

 「祖父が1959年に始め、今年で60年。私は3代目です。関西一円のスーパーに卸すほか、パームシティ内に直営店の『豆華』を設けています」

──半世紀以上愛されているんですね。

 「豆腐の魅力を広めるため、20年ほど前から小学校に出向いて作り方教室を開いています。豆腐が苦手な子もいますが、『できたてってこんなに甘くておいしいんだ』といった、素直な感想が心に響きます。2013年には豆腐マイスターの資格を県内で初めて取りました。15年には豆腐マイスター認定座学講師資格も取得。今、和歌山県内のマイスターは70人を超えました。目標の100人までもうすぐです。7月15日㊊に和歌山市で認定講座がありますので、関心のある方はぜひ」

──今後は。

 「うちもオートメーション化は進めていますが、にがりを加える作業、豆腐を詰める作業など、肝心なところは手作業です。今まで同様、昔ながらの方法を守りながら、オンリーワンの商品を届けてゆきたいですね」

【ナカシタトウフ】
配送センター
和歌山市園部894-3
073-461-0203
※直売所あり

【直営店「豆華」】
 和歌山市中野31-1
パームシティ1階

(ニュース和歌山/2019年6月12日更新)