怖さ:4
海の妖怪
出没地域:日高町

 その昔、阿尾浦の田杭(日高町阿尾)の海に出た「化けもん魚」は、全身が黒っぽい大きな魚で、目は金色。驚いた事に河童のような手足がついていた。漁師が漁をしていると、音もなく現れて、昼ごはんのにぎりめしを取って食った。漁師が追い払おうとすると、船をひっくり返したり、釣り上げた獲物を根こそぎ持っていったり。取るものがなければ、大波を立てて船を沈める始末。漁師たちはほとほと困り果て、とある祈祷師に助けを乞うと、祈祷師は「田杭の海を通る時は、洗い米をまくがよい」と言った。それから漁師たちは洗い米を持って漁に出たという。

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(ニュース和歌山/2019年6月15日更新)