◆消化器外科・大腸肛門外科

福外科病院
大腸肛門病専門医 日本外科学会専門医  
               福 昭人副院長

A.  肛門周辺の粘膜の下には、血管が集まって肛門を閉じるクッションのような部分があります。便秘などの排便障害等が続くとこのクッションが大きく腫れ上がり、出血したり肛門の外へ出たりします。これが痔の主な原因です。

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 治療の基本は、薬物療法と生活療法です。①外痔核に血栓ができ、腫れ上がって痛む血栓性外痔核の場合…ステロイド坐薬や軟膏と消炎剤の内服の後、非ステロイド薬で約2〜3週間加療します。②内痔核と外痔核が同時に激しく腫れ上がり、肛門外に脱出したまま戻らないかん頓痔核の場合…高力価のステロイド坐剤や軟膏と消炎剤の内服の後、低力価のステロイド薬に、さらに非ステロイド薬に切り替えます。生活療法は食物繊維を十分に摂取し、規則正しい排便習慣をつけることを目標とします。

 これらの治療を行っても出血が止まらない場合や慢性脱出(脱肛)は外科的治療となります。大腸肛門病専門病院で相談することをお勧めします。

(ニュース和歌山2015年1月24日号掲載)