◆外科

楽クリニック 藤田 定則院長 

 

 

 A.  足の血管がコブ状に浮き出てくるのは、下肢静脈瘤という病気です(写真Ⓐ)。静脈内の血管の弁が壊れたことが原因で発症し、特に強い症状がないまま、ゆっくりと進行します。

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 しかし、病状が悪化してくると、足の膝から下、特にくるぶしの周囲に、色素沈着による褐色のシミが現れます。この部分をケガなどで傷つけてしまうとなかなか治らず、液がにじみ出たり、潰瘍ができて皮膚に穴があいたりします(写真Ⓑ)。 下肢静脈瘤が原因の潰瘍は、見た目の割には、痛みが少ないのが特徴です。

 足に下肢静脈瘤のシミが出てきたら、そろそろ治療が必要です。潰瘍ができるまで放置しないで、診察を受けましょう。手術は、原因となる壊れた血管を切除して引き抜く方法や、極細のレーザーを血管に挿入し、内側から焼き固める方法などがあります。

 以前は入院が必要とされた治療も、日帰りで行うことが可能になりました。まずは医師にご相談ください。

(ニュース和歌山2015年6月27日号掲載)