◆内科・老年内科

あきさきクリニック 明嵜  太一院長

A.  「認知症」は、年齢を重ねると、誰もが気になる「病気」です。仕事や子育てがひと段落した後、趣味や社会活動に勤しむのは、その予防にとても大事なことですが、より若い時期には、糖尿病や高血圧、脂質異常症、喫煙習慣といった生活習慣(病)を見直すことも重要です。

 糖尿病になると、アルツハイマー病になる危険性が高まるといわれています。すでにかかっている場合でも、血糖コントロールが良い方(HbA1cが7以下)は、悪い方に比べて認知症になりにくいというデータもあります。一方で、厳密に血糖値をコントロールしようとして低血糖を繰り返すことは、反対に認知機能を落とす結果になります。肝心なことは、「たくさんの種類がある糖尿病治療薬を、どのように組み合わせるか」です。

 また、高血圧や脂質異常症、喫煙習慣は動脈硬化の促進因子であるため、脳血管性認知症の危険因子とされています。

 生活習慣(病)を、中年期からきっちり治療することが、将来の認知症予防につながることはよく知られています。すでに生活習慣病をお持ちの方でも、適切な方法で治療を受ければリスクを減らすことができます。医師の指導のもと、しっかり取り組みましょう。

(ニュース和歌山2015年6月27日号掲載)