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 32歳で水泳を始め、過去4度出場した全国大会で獲得したメダルは4つ。自由形25㍍と50㍍を得意とする。秋の紀の国わかやま大会で力を出し切り、できるだけ長く競技を続けたいと考えている。「目指すは生涯水泳。応援してくれる家族や仲間がいるから続けられる」と目を輝かせる。

 高校までは学校にプールがなかった。小学生時代は年に2度、秋葉山プールへ市電に乗って泳ぎに行くのが楽しみだった。先天性の股(こ)関節脱きゅうで、激しい運動はできず、出産を機に自分に合うスポーツをと始めたのが水泳だった。

 ぎこちない泳ぎで始めた水泳は、初めて25㍍泳げたとき、一つの目標を達成できた充実感に喜びを覚え、本格的に競技に打ち込むようになった。1993年の全国身体障害者スポーツ大会に初出場で銀メダルを獲得。2012年は金と銀を1つずつ、13年は銀メダルに輝いた。

 25㍍自由形、93年の全国大会では32秒台で表彰台に立てたが、レベルが上がった今は23秒台でないと入賞は難しい。週3回の練習でフォームの改善に取り組んでおり、「以前は速く腕を回すことばかりでしたが、今はしっかり水をつかんで後ろへ送るよう意識するようになりました」。自己ベストは24秒台にまで縮まった。

 6年前に目標と定めた地元での全国大会がいよいよ今秋に迫った。「身体と相談しながら密度の高い練習を続け、当日を迎えたい。目標は23秒台」と意気込む。県水泳選手団の井上明監督は「女性の中では最も経験が豊か。持ち前の負けん気で表彰台の真ん中に立ってほしい」と期待している。

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 全国障害者スポーツ大会「紀の国わかやま大会」(10月24日〜26日)に出場する県出身の選手やチームを土曜号で紹介します。

(ニュース和歌山2015年8月1日号掲載)