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小さな冒険 手にする宝物

 

 子どもの小さな冒険を、濃淡の強い夏らしい絵で描いている絵本です。

 真っ青な空と海を背景に、虫取り網をもって走る表紙の男の子。半開きの口から「はぁはぁ」という息づかいが聞こえてきそう。男の子がねらうのは、でっかいクワガタ。

 「きょうは ぜったいつかまえる。ぼくが ひとりでつかまえる」

 夢中でクワガタを追う男の子に、自分の子ども時代を重ねる方も多いでしょう。迫力ある絵は、田んぼを渡る風のぬるさや、夕立の雨の匂いを伝えます。豊かな自然は昔より少なくなりましたが、冒険して宝物を手にする感動は、昔も今も変わらないはず。夏、小さな冒険を終えた子ども達はひと回り大きく成長します。

(和歌山市民図書館司書 額田美那子)

(ニュース和歌山2015年8月26日号掲載)