2015紀の国 和歌山国体 出陣!

世界一で得た自信 胸に セーリング髙山・中野ペア 

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 7月の国際420級ヨット世界選手権で優勝。〝世界一〟の称号を手にした髙山大智・中野翔太ペア(いずれも星林高校3年)が今、見つめるのは紀の国わかやま国体だ。中野選手は「自分にとっても、見てくださる方にとっても最高の舞台にしたい」と力強い。一方の髙山選手は「大分から和歌山に来て3年目、いろんな方に教わり成長できた。支えてくれた皆さんへの感謝の舞台に」。9月26日(土)の開会式を前に行われるセーリング競技、風を的確にとらえ、県選手団に追い風を呼び込むべく、和歌浦の海に乗り出す。

冷静に風を読み前へ

 7月17〜7月25日、佐賀で開かれた国際420級ヨット世界選手権。全12レースの総合成績で順位を決めるこの大会、第3レースまでは弱い風に悩まされたが、第4レース以降、得意とする強い風が吹き始めた。「どのレースも先頭ではなく、7、8番手につけ、そこから順位を上げていく展開だった。追われる側ではなかったので、精神的な余裕がありました」。髙山大智選手は振り返る。

 最終日の2レースを残し、72チーム中2位。優勝がちらついても2人の心は乱れない。中野翔太選手は「いつも通り、今まで通りの走りができれば順位はついてくると思っていましたから」。その落ち着きが世界一に繋がった。

 小学2年でセーリングを始めた髙山選手はすでに11年目と経験豊富。舵(かじ)やメーンの帆を操るスキッパーを務める。一方、前の小さい帆を操作するクルーを担う中野選手は、星林高校に入ってから始めた。2人は昨年の長崎国体セーリングスピリッツ級で2位入賞を果たしている。

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 普段練習する和歌浦で行われた今年8月のインターハイは、3位に終わった。中野選手は「優勝したペアは国体でも顔を合わせる。地元だからと油断せず、その2人に勝利したい」。リベンジを誓う。

 世界選手権で手にしたトロフィー。刻まれた歴代王者名の中には、ロンドン五輪金メダリストの名前もあった。「そのスタートラインに立てたと思います」と高い頂を見据える髙山選手。自信を得て挑む国体でも冷静に風を読み、ヨットを走らせる。

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 髙山・中野ペアが出場するセーリング少年男子420級は9月10日(木)〜9月12日(土)、マリーナシティの和歌山セーリングセンターで行われる。

写真 このページ中=スキッパーの髙山選手(左)とクルーの中野選手


体操に田中兄弟登場 会期前3競技 注目選手続々

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 9月26日(土)の開会式を前に行われる体操、水泳、セーリングの3競技。体操競技成年男子には和歌山北高校出身で、ロンドン五輪団体銀メダリストの田中和仁(徳洲会)、佑典(コナミスポーツ&ライフ、写真)兄弟が登場する。佑典選手は10月に世界選手権を控え、地元でどんな演技を見せてくれるか。

 水泳は、7月のユニバーシアード男子1500㍍自由形で3位に入った海南高校出身の山本耕平選手(ミズノ)が400㍍自由形に出場。昨年の長崎国体成年女子50㍍自由形優勝の押川里奈選手(アドヴァンスむそた)には連覇が掛かる。他府県代表にも注目で、8月の世界水泳金メダリストの渡部香生子選手(東京)、瀬戸大也選手(埼玉)と世界トップ選手がエントリー。

 セーリングは、和歌山県勢に優勝候補が多い。成年女子セーリングスピリッツ級の宮川惠子(和歌山セーリングクラブ)・栗栖佐和(県セーリング連盟)ペアは国体3連覇、昨年、少年男子シーホッパー級スモールリグを制した矢野伸一郎選手(和歌山工業高校)はレーザーラジアル級に出場し、連続優勝に挑む。

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(ニュース和歌山2015年9月5日号掲載)