◆消化器外科・大腸肛門外科

大腸肛門病専門医 日本外科学会専門医 
      福外科病院 福 昭人院長 

A. 症状のある胆石症は、症状を起こしたことのない無症状胆石と異なり、治療の対象となります。結石を溶かす飲み薬(経口胆石溶解剤)を服用する治療方法は、患者さんの負担が少なく済むと思われます。

 しかし、誰もがこの溶解剤を服用できる訳ではありません。精密検査で胆嚢の機能や結石の成分を調べ、適応の有無を判断します。

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 精密検査は腹部エコー、腹部CT、胆嚢レントゲン検査(点滴をして胆嚢をレントゲン撮影する)が有用です。これらの検査の結果、「腹部CTで結石が映らない」「腹部エコーでコレステロール結石と判断され、直径が10〜15㍉未満である」「胆嚢レントゲン検査で胆嚢が描出され、かつ結石が胆嚢内で浮遊している」の全てを満たした場合、経口胆石溶解剤で結石が溶ける可能性があります。ただし、腹痛の強さによっては手術を考慮する場合もあるので、日本消化器病学会認定専門医または日本外科学会認定専門医にご相談下さい。学会の専門医はHPで検索できます。

(ニュース和歌山2015年9月26日号掲載)