◆外科

楽クリニック 藤田 定則院長 

 

 

 A.  下肢静脈瘤は、足の血管がコブ状に膨らんでくる病気です。静脈内の血管の弁が壊れたことが原因で起こります。足で使われた血液がうまく心臓へ戻れず、血管内に溜まってしまい、血液の流れが悪くなります。

 根本的な治療は手術ですが、特に強い症状がない場合は、経過観察となります。こむら返りを頻繁に繰り返したり、皮膚の色素沈着、かゆみ、潰瘍などの皮膚の炎症の症状が出てきたら治療が望ましいです。

 自覚する症状はないが、太く目立った血管のコブを認める場合、弾性ストッキングを着用してもらい、その結果、足が軽くなるように感じるのであれば、手術による根治治療をすすめています。手術後、症状がとても良くなる方が多いからです。

 手術は、眠っている間に終わる「日帰り手術」が主流です。入院の必要がなく、手術後は歩いて帰宅できます。自宅では特に安静にする必要がなく、普段通りに動く方がよいです。散歩程度なら出かけても結構です。

 現在は、仕事を休めない人や家族を介護している人など、入院しづらい方をはじめ、高齢の人も日帰り手術を受けることが増えました。あまり悩まず、医師にご相談ください。

(ニュース和歌山2015年9月26日号掲載)