◆消化器外科・消化器内科

日本消化器病学会専門医 日本外科学会専門医
      福外科病院 福 昭人 院長 

A.  「そけいヘルニア(脱腸)」のようですね。成人では自然治癒することはありません。
 そけいヘルニアは、加齢とともに下腹部から足の付け根(そけい部)の筋肉組織が弱くなり、その部分からお腹を覆う腹膜が袋状に飛び出す病気です。放置すると腫れが急に硬く痛くなり、指で押さえても戻らなくなると、緊急手術になります。

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 治療は手術です。最近は、「腹腔鏡下そけいヘルニア根治術」が主流です。おへそと下腹部をそれぞれ1㎝切開して、腹腔鏡という内視鏡を入れ、おなかの中でヘルニアの部分を修復します。術後の痛みや違和感が少ないのが利点です。従来法は、腫れている部分を4㎝ほど切開して、飛び出ている腹膜の根元を縫合し、開いた筋肉をポリプロリン製のメッシュ(医療用の布)で傷に緊張がかからないよう補強します。

 日帰り手術が原則ですが、2日間入院が望ましい場合もあります。日本外科学会認定の外科専門医にご相談ください。

(ニュース和歌山2015年10月24日号掲載)