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 お城を囲む内堀は敵の侵入を防ぐために造られています。和歌山ではさらに、城下町を守るために外堀が設けられました。和歌山城の堀は旅人を引き寄せる観光資源でもあります。

 イベント時に行われていた堀クルーズでは、熊野川の舟下りに使われる伝統的な舟を浮かべていました。水面に舞い散る桜の花びらや、映り込む天守閣に石垣。陸地とはひと味違う景色が見られます。

 この堀、どのくらいの深さがあると思いますか? 何日も雨が続いた後の朝、堀に沈む舟を見つけました。引っ張り上げようとする男性を手伝い、落ちないように注意しながら1時間奮闘しました。その時に気付いたのですが、舟が沈んでいた場所は実はヒザほどの深さしかありませんでした。

※第2・4水曜号掲載。次回は12月9日号です。
(ニュース和歌山2015年11月25日号掲載)

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2015072202saimoサイモン・ワーン(Simon Wearne)

オーストラリア出身の写真家、映像ジャーナリスト。2008年に来日し、和歌山大学観光学部の特任助教を務めるかたわら、太地町の捕鯨文化をユネスコの産業遺産に登録するため、文化財の独自研究と調査を進めている。