怖さ:3 出没地域 串本町大島周辺

 昔、大島近海で、ある男がイガミ(ブダイ)をisomukade釣っていた。その日は大漁で、釣れた魚を次々と波際の潮溜まりへ放り込んでいた。そろそろ帰ろうかと見れば、何やら真っ赤なものが波際をつたうようにしている。近づくと、一口でイガミ2、3匹も喰いちぎる大きなムカデ。男は驚いて逃げ帰ったが、体中が真っ赤になって間もなく息を引き取ったという。なんとも恐ろしい話だが、夜の海では不思議な生物に出合うことがよくある。「ウミケムシ」はまるで生きているタワシのようだし、「オニイソメ」なんかは体長3㍍にもなるというから、海にはまだまだ未知なる生物がごまんといるはずだ。

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 妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎週土曜日、妖しの世界に誘います。

(ニュース和歌山2016年9月3日号掲載)