こんなことってあるんやな…。優勝したんだと分かった瞬間、自然と涙がこみ上げてきました。

 関西リーグ1部14試合中、11試合を終えて、2位に勝ち点6差をつけて首位でした。しかし、9月の残る3試合、12節、13節と連敗し、2位のアミティエSC京都に勝ち点で並ばれ、得失点差でわずかに1差まで迫られました。大量得点が求められる最終14節、僕らの相手は関西リーグ屈指の守備力を誇るバンディオンセ加古川、一方のアミティエは最下位の京都紫光クラブ。周りからは「アルテリーヴォの方が分が悪い」との声も聞こえてきました。

 そんな状況でしたが、まだチャンスはあると信じていました。連敗した2戦は、細かいパスをつないで攻撃を組み立てるアルテリーヴォらしい戦いを見失っていました。13節後、Jリーグの名古屋グランパス、京都サンガと行った練習試合でボコボコにやられましたが、それでも僕らは悲観的ではありませんでした。自分たちのサッカーを取り戻しつつある手応えがあったからです。

アルテリーヴォ 迎えたアウェー加古川での最終戦。サポーター約200人が詰めかけ、ホームの雰囲気をつくって後押ししてくれました。同時刻、京都で行われたアミティエの試合も気になったものの、目の前の試合に集中することだけを考えていました。結果は5対0。試合終了を告げるホイッスルが鳴りましたが、サポーターたちから喜びの声は上がりませんでした。アミティエの試合がまだ終わっていなかったからです。

 

 それから1分後ぐらいでしょうか。客席から歓声がわき上がりました。その声で、僕たちが優勝したんだと分かりました。後から聞けば、アミティエは試合終盤、立て続けに得点を奪い、最終的に6対1で勝利していました。前節までの得失点差1差が生きました。紙一重での優勝でした。

 苦労してつかんだ優勝ですから、喜びもひとしおですが、選手全員、すでに気持ちはJFL昇格をかけた11月の全国地域チャンピオンズリーグへ切り替わっています。関西1部優勝はあくまで通過点です。決戦の場に最高の状態で挑むため、10月はKSLカップに全員一丸で臨みます!(第1土曜掲載)

★9月の関西リーグ1部結果

 第12節 ●1─3 レイジェンド滋賀

 第13節 ●0─2 アミティエSC京都

 第14節 ○5─0 バンディオンセ加古川

(ニュース和歌山2016年10月1日号掲載)