健康食の薄味で少量といった精進料理のようなイメージを覆す「未病健康・つぶらカフェ」2号店が10月、和歌山市三番丁にオープンした。栄養バランスの良い「まごわやさしいランチ」のほか、カレーやブリカツと食べごたえあるランチが並ぶ。「美と健康を支え、お客様にいつまでも輝いてほしい」。オーナーの酒井円美(まるみ)さん(60)は語る。

まごわやさしい

 栄養バランスの良い食事の覚え方で知られる「まごわやさしい」は、「豆」「ごま」「わかめ(海藻)」「野菜」「魚」「しいたけ(きのこ)」「芋」の頭文字。この考え方を旬の食材でランチに生かす。

 「中性脂肪低下や学習能力向上などさまざまな効果が期待されるDHAとEPAを多く含むブリ、古くは薬用に使われ、近年美容や健康で注目されているあずきなどを日替わりで盛り込みます。1日350㌘の野菜をとるのは難しくても、このランチなら無理なくとれます」

 ミネラル豊富な粗糖、カルシウムが多い塩、国産の十五穀米と、素材にこだわる。

 「人気メニューのイエローカレーは無水鍋を使い、ココナッツミルクと素材の水分だけで作る。うまみが凝縮し、少ない調味料で味がしっかりしてコクが出ます」

4つの健康

 もともと編み物教室をし、〝美〟にこだわりがあった。30歳の時に娘が病を患い、予防医学や栄養学を学び始めた。東京や九州に赴き勉強を続けていたが、15年前に夫を亡くしたとき、体に加え、心、時間、知識、4つがそろって健康だと実感した。

 「2年前に自宅を改装して加太店を、そして今回、三番丁に2号店を開きました。自分の知識を生かして、たくさんの人に健康になってほしいとの思いからです」

 体は消化と代謝に酵素を使うため、食前には、有田市やかつらぎ町の農家から仕入れたフルーツでつくる「酵素ジュース」をすすめる。

▲近大ブリのブリカツランチ

 「今後はこの店で編み物や花などの教室を開きたい。体の中と外から美を意識し、いつまでも輝く人でいてほしい。これからの季節、冷えは体のSOSサイン。大根、ゴボウ、カボチャと旬を詰め込み、栄養いっぱいのポトフで、心も体もあたたかく、美しくなりませんか?」

 この店から、健康を──。願いを語るその目は、希望に満ちあふれている。

【未病健康・つぶらカフェ】《三番丁店》和歌山市三番丁76。午前11時〜午後5時(ランチは2時)。土日休み。073・488・1345 《加太店》和歌山市加太1070-91。午前10時〜午後6時。日曜のみ営業。073・459・2611。いずれも要予約で夜営業。

(ニュース和歌山/2017年12月6日更新)