家の妖怪

出没地域:和歌山市ほか

怖さ:3

 体にできた傷が化膿し、人の顔のようになり、次第にそれが話をしたり、物を食べたりするとされる妖怪、奇病の一種。この人面瘡、私も祖父に聞いた事がある。祖父が復員して間もなく、戦友が病に伏したと聞き見舞うと、病床の友人の足が大きく腫れ上がっていた。聞けば、何かの菌に感染したと彼は力なく笑ったが、化膿した部分は、彼とそっくりな顔に見えたという。江戸時代の怪異談を集めた『御伽婢子』では、人面瘡に困り果てた農民がおり、旅の僧が貝母(ばいも・ユリ科の多年草)を人面瘡の口に流し込み治療したとある。

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 妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎週土曜日、妖しの世界に誘います。