梅雨真っ只中の今回、ご紹介する海藻は「ホソエガサ」。英語名でMermaid’s Wineglass(マーメイズ ワイングラス)。人魚のワイングラスとは、なんともロマンチックな名前ですよね。

 ホソエガサは波のおだやかな砂地の貝殻の上で発芽、生長し、カサが成熟すると配偶子と呼ばれる緑色の粒々を放出し、白い抜け殻となります。

 貝殻の上に生えるため、貝殻が土砂などに覆われると生育できず、沿岸域の開発などで生息地が減少してしまいました。かつては日本各地の沿岸に生息していましたが、今では環境省の絶滅危惧種に指定されています。

 6〜7月ごろ、日高の海では貝殻の上で揺れる可憐なカサが見られます。

 写真=全長3㌢ほどのホソエガサ(協力:日高ダイビングセンター)

塩崎仁美…東大阪市出身。和歌山県内を中心に水中写真を撮影。東日本大震災の被災地でもボランティアダイバーとして活動している。

(ニュース和歌山/2017年6月28日更新)