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 3月は卒業シーズン、これから1人暮らしを始める人も多いのではないでしょうか。海底にも1人(1匹?)暮らしをする魚がいるんですよ。

 写真の大きな目が愛らしい赤い魚は、クルマダイ(英語名:Japanese bigeye)という深海魚の子どもです。須江の内浦ビーチでは、砂地にポツンと1匹、自分の体を隠せるような棲家(すみか)の側で、少し寂しそうにじっとしている姿を見かけます。

 稚魚の間、黒豆のような姿で海面付近にいますが、幼魚になると徐々に黒色が消え、白い縞模様が現れて浅海で過ごすようになります。成魚になると水深100㍍より深いところへ移動し、小魚や甲殻類を食べて暮らします。成長とともにいるべき場所へと移動するのです。 (第2・4水曜号掲載)

 

写真=体長6㌢程のクルマダイの幼魚

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写真家 塩崎仁美…東大阪市出身。和歌山県内を中心に水中写真を撮影。東日本大震災の被災地でもボランティアダイバーとして活動している。

(ニュース和歌山より。2017年3月8日更新)