高校生にケータイいる? いらん?
大人の言い分 高校生の言い分
       
5割以上が授業中に使用
    
 県教委や県警が昨年7月、「携帯電話対策」を考えようと、県立高校の2年生986人を対象に使用実態や意識調査を行った。
 これによると、携帯電話の所持率は全体の84%にのぼり、大半の高校生が持っていることが分かった。調査する側に最も衝撃的だったのは、利用する時間帯。「授業中」との問いに対して「よく利用する」と答えたのが男子22%、女子34%で、「ときどき利用する」も男子37%、女子38%と授業中に利用したことのある生徒が全体の5割以上いることが判明したためだ。
 「出会い系サイトを知っているか」との問いについては、男子88%、女子95%が「知っている」と回答、「利用したことがあるか」との問いには男子26%、女子36%が「はい」と答えている。
   
“出会い系”の被害広がる
   
 県警によると、携帯電話の出会い系サイトを通じ未成年が犯罪に巻き込まれる事件は昨年から県内でも発生し始めている。昨年は児童買春で3件3人が検挙。女子中学生3人が被害を受けたことが分かった。また、今年は9月末までに、13件で20代から30代後半の、女性1人を含む8人が児童買春、児童福祉法違反などで検挙され、女子高校生3人、無職の未成年女性1人、男性1人が被害にあっている。
 「被害には、出会い系サイトを通じ知り合った男性に売春をさせられたケースと、高校生がお金欲しさに自発的に売春したケースがある。前者はもちろん後者でも法律上、大人が精神的に未熟な子どもを守る義務を犯したことになる」(県警少年課)とし、「テレクラをより身近な携帯電話が取って代わったと言えるかもしれない」と話している。
   
学校生活に不要 県教委呼びかけ
   
街中でケイタイを手にする高校生 県学校教育課はこういった傾向を背景に、今年2月、県内の全公立高校に、「特別な事情がない限り携帯電話を学校に持ってこない」「出会い系サイトを利用しない」などの指導を求め通知した。これを受け、各学校は携帯電話使用に関する指導を実施。
 同課は「正式な調査ではないが、授業中の携帯電話使用は100%に近い形で見受けられなくなった」と手応えを感じる一方で、「学校に持ってこないという点については今ひとつ進展していない」と話す。先月発行したリーフレットにはどうすれば学校に持ってこなくてすむかを模索する意味もある。
 リーフレットは「携帯電話は学校生活に必要ありません」と大きくうたう。また、学校読書調査から、持たない生徒の方が持っている生徒より読書量が多いとの結果や、出会い系サイトがらみで昨年から今年にかけて倍近い割合で被害が増えている実態を紹介。「不特定多数の人と安易に交際するきっかけとなる」とし、保護者に「交信相手や毎月の利用料に充分注意を払ってください」と呼びかけている。
 県学校教育課は「保護者の理解と協力がないと、啓発には実効力がないと考えた。リーフレットをもとに学級や家庭で改めて、いい面、悪い面を話し合ってもらい、必要性を考えてもらいたい」と話している。

写真=街中でケイタイを手にする高校生は日常風景に)

    
大人の言い分
使い方のルール作りが先決
一方的に“ダメ”でなくマナー徹底を
       
 公立高校の校長…本校は禁止ですが、実際は生徒のポケットから出てきます。問題は携帯電話による授業妨害。テスト中に着信音が鳴り、ポケットに手を入れた時点で不正行為と見なす厳しい姿勢をみせています。この延長で授業中に使わないことは徹底している。ただ小学生でも携帯電話を使い、親に送り迎えしてもらう光景は珍しくなく、生活にとけ込んでいるのは否めない。放課後までは難しいが、学校内で使用しないよう指導するしかないでしょう。
 紀の国子どもサポートネット代表、吉田晃医師…現状で学校に持ってくるなというのは無理。出会い系サイトなどを理由にするのは責任逃れで、それを理由にするなら、もっと積極的に使い方を一緒に考えるべき。大人が決めたルールを子どもに守らせるのではなく、子どもたち自身がルールを決め、そのルールを守るように育ててゆくのが、大人の役割ではないでしょうか。
 鍼灸師の宮本敏企さん…電話もメールも互いの反応を確かめられないとコミュニケーションが表面的なものになるのでは。反面、メールだからこそとれるコミュニケーションもあり、高校生でも使い方を誤らなければかまいません。ただ、便利だからという理由だけで使うのはどうか。高校生の年代は人生の中で辛抱するとき。不自由をしながら、不便さを別の形で解消するよう知恵をめぐらせるべきときと思います。
 高校3年生の保護者、小木曽啓子さん…子どもが持ちたいと言ったときは戸惑いましたが、今の様子を見ていると必要なコミュニケーションの手段になっていると思います。先生とも携帯電話で相談しています。職員室に行くのは気が引けても、携帯電話なら話しやすいのでしょうか。マイナス面もあるでしょうが、大人が一方的にダメというだけでなく、高校生自身がどうマナーを守り、使っていくかの論議が必要だと思います。
   
高校生の言い分
口にしづらいこともメールで
目と目を見ての会話に影響?
   
 毎月の利用料が1万5千円ほどの県立高校1年生男子…友達はみんな持ってますし、学校にも持っていきます。休憩時間に先生の前で電話をしても何も言われませんし、授業中もメールが来れば返信します。漢字変換機能を使ってカンニングする人も。出会い系を使ったのは聞いたことないですが、メルカレやメルカノの話は聞きます。メールだけで付き合い、それで別れたりしています。
 高校1年から使っている県立高校3年生女子…クラスではほぼ全員持っていて、持ってない子の方が珍しい。以前は授業中に着メロが鳴ることも多かったですが、校内にいる時は電源を切るようにと決まってから、少なくなりました。友達とすぐに連絡が取れるし、メールを使えば口で言いづらいことが伝えやすい面がある。チェーンメールは邪魔ですが、なくなったら困ります!!
 今や少数派、携帯電話を持たない県立高校3年生男子…特に必要性を感じませんし、料金もかかるので持っていません。試験のときには電源を切りカバンに入れるよう指示があります。コミュニケーションの道具としてうまく利用するのはよいと思いますが、頼りすぎることで、目と目を見ながら話す際にうまくコミュニケーションをとれなくなるのでは、との心配もあります。