ファミリーサポートセンターは1995年に貝塚市が導入したのを皮切りに、近年、急速に全国に広がっている。和歌山市は6月に開設してからサポートする人(提供者)と、してほしい人(依頼者)が約40人ずつ。両方に登録した人も10人余りいる。
これまでの活動件数は延べ50件ほど。ただし、同じ人が何度も利用することが多いため、利用者数はそれほど多くない。また、センターが提供者と依頼者を双方の希望に照らして結びつけているが、依頼者からは自分が住んでいる地域でなく、勤務先がある市街地で提供者を希望することが多いため、「需要に供給が追いつかない」ことがある。逆に郊外では、提供者はいるが依頼者が少なく、実際に活動している人はそれほどいない。加えて、依頼があるのは、「単発、緊急避難的な内容が大半で、制度が想定する継続的な利用がほとんど無い」のが実状だ。
大阪の和泉市だと、大阪市内への通勤者で「保育所が終わる時間に迎えに行けない」人の継続利用が目立つ。一方、和歌山市の場合、「郊外にはまだまだ地域で子どもを育てる習慣が残るためニーズが少ないが、市街地では依頼に応え切れないなど、需要と供給のミスマッチが浮かび上がってきました」と同センター。
そんな中、実際にサポートに携わった人は充実感を味わっている。制度が始まってすぐ登録した和歌山市の女性(68)は、これまで数回、依頼者の子どもを迎えに行き、自宅で2、3時間預かる経験をした。
元々今春までは孫の面倒をよくみていたが、息子夫妻の転勤に伴い孫と離れ、「生きがいがなくなった」と感じていた。制度を知りすぐに応募、対象になった子が一番下の孫と同年代のため、喜びが大きかった。夫も子ども好きで、夏休みに孫が帰省したときには、一緒に海へ遊びに行くまでつながりが深くなった。
「相手の方も気に入ってくれているようです。センターを仲介するので、必要以上にベタベタした関係にならないのが良いのかもしれません」と分析する。
センターは「子どもの一時預かりは市立保育所でも対応していますが、日曜や延長保育で対応しきれないときに預かって欲しいといったニーズはあるはず」とみる。
また、提供会員には高齢者が多いため、運転免許を持ってなかったり、車があってもチャイルドシートがなかったりで希望に添えないことがあった。センターはチャイルドシートを確保し、少しでもミスマッチを防ぐ考えだ。
なお、いまは体制づくりを進めているところだが、市街地での提供者確保など課題が浮き彫りになった。今後は、より利用しやすいシステムを構築してゆく方針だ。
ファミリーサポートセンターの会員になるには提供者、依頼者とも事前に研修を受けることが条件。研修会は毎月第3金、第4土に実施している。参加無料。申し込みは同センター(073・424・3770)。
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