囲碁
アニメ追い風にすそ野広がる
約1500年前に中国から伝わり、平安時代の天皇や戦国時代の武将も熱中したと伝えられる囲碁。最近は少年誌の連載からテレビアニメ化された「ヒカルの碁」がブームに火をつけ、小中高校生に愛好者が増えている。
和歌山市古屋の井上浩二さん宅。午後7時を過ぎると子どもたちが集まり始める。ワイワイガヤガヤ、部屋の中がにぎやかなのは7時半まで。7面ある碁盤で対局が始まると、碁石を打つ音だけが響く。「子どもだと1局約15分ですが、その間にものすごく吸収するんです。子どもは楽しみながら取り組むことでどんどん伸びる。やる気を引き出すお手伝いをしているんです」と井上さん。
井上さんが囲碁サークル「しろくろたまご」を始めたのが今年5月。20年来囲碁に親しんでいるが、碁会所に集まるのは年輩者がほとんどのため、若い人にも魅力を知ってもらいたいと以前から考えていた。そんな時に訪れた「ヒカルの碁」人気。「碁に興味を持っている子どもが多いのではないか」とサークルを立ち上げた。
メンバーは5歳から高校3年生まで26人。河西地区が中心だが、太田や砂山から通う子もいる。週に3回顔を出す於久孝充君(中2)は「家でも詰め碁や本を読んで勉強しています」。「ヒカルの碁」をきっかけに興味を持ち、10月から通い始めた石橋尚大君(小5)は「最後まで勝負が分からないところがおもしろい」。メンバーの3分の1は女の子で、大橋沙紀さん(小4)は「囲碁をしているおじいちゃんが勝って帰ってくると喜んでいたので、おもしろそうと思って教えてもらいました。将来はプロになりたい」と笑顔を見せる。
「ヒカルの碁」は98年、少年誌で連載がスタート。高校の囲碁部はそのころから入部者が増え始め、大会参加者も急増している。毎年6月の全国高校囲碁選手権県大会を見ると、97年までの5年間は3、40人台で推移していたが、98年は70人、99年は86人と倍増、ここ2年は約120人が参加するほど。
ブームを機にすそ野を広げようと、日本棋院も様々な試みを展開している。今年3月に全国で「ヒカルの碁ジュニア入門教室」を開催。和歌山市は定員100人に対し145人から申し込みがあった。さらに入門教室で関心を持った子どもにより深い指導を行う「ヒカルの碁スクール」を7月からスタート。12月まで毎月2回開催中で、毎回25人前後が参加、美里町から通う子もいる。スクールで指導する県師範の田中美輝さんは「碁を趣味として続けられる人は100人中5人くらいと言われています。打てるようになるまで2、3カ月かかりますが、囲碁を通して思考力や忍耐力、創造力がつきますよ」。
最近は囲碁を授業に取り入れる高校や大学も増えている。感性を養ったり、脳を活性化させることでボケ防止に効果があるとも言われる囲碁、みなさんも挑戦してみてはいかが?
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写真
=リレー碁を楽しむ子どもたち=しろくろたまごで)
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