地元農産物 給食に
那賀郡でメニュー公募
  

      
実物審査会より、野菜たっぷりの料理を味見する審査員達 安全な食品へのニーズが高まりを見せる中、地元で作られた農作物を小中学校の給食に取り入れようという活動が那賀郡で進んでいる。取り組んでいるのは那賀地場生産・地場消費をすすめる会(事務局=那賀地域農業改良普及センター)で、県内で初めて給食メニューを公募したところ、主婦らから地元の野菜たっぷりのアイデア料理が寄せられた。すでに書類審査と実物審査会を終えており、今後、入選メニューを給食関係者に提案してゆく考えだ。

写真=実物審査会より、野菜たっぷりの料理を味見する審査員達)


        
 那賀地場生産・地場消費をすすめる会は郡内6町や生産者、消費者、学校関係者らが5月に立ち上げた。会名の通り、地元で採れた農作物を地元で消費する“地産・地消”が目的。食物の安全に対する信頼が揺らぐ中、新鮮で安全な農産物の供給について、生産者だけでなく、消費者、流通関係者が一体となって考えてもらおうと、郷土料理を伝える一般向け教室や中学校で調理実習を行っている。
 給食メニュー公募もその一環。「新鮮で、生産者の顔が見え、安心できる農産物を子どもたちに提供する」のがねらいだ。また、最近は給食の食べ残しが多く、「お母さんから知恵をお借りし、給食を充実させたい」との思いもある。
調理する参加者の目は真剣  募集は郡内に住む人を対象に7月から開始。「地元で採れる農産物を材料にする」「子どもの栄養や食べやすさを考慮する」ことが条件で、主婦を中心に59点の応募があった。
 寄せられたのは、打田町特産のふきを使った「ふきのピーナッツ和え」、季節の果物を盛り込んだ「スイートポテトサラダ」など愛情いっぱいのアイデア料理。8月末の書類審査で、季節感がある▽大量に調理が可能▽従来の料理でなく何か工夫があるーーなどを基準にしぼり込み、合格した11人が9月19日の実物審査会に出場した。「全体的にすごく良い味で、レベルが高かった。普段から料理を作り込んでいる主婦の力を感じました」と審査委員長を務めた信愛女子短大講師の藤沢祥子さん。
 審査の結果、手作りみそを使った「和風味噌入りチャウダー」(島田紀子さん、岩出町)、岩出特産のシシトウ「根来大唐」をうまく組み合わせた「栄養だんご揚げ」(後藤瑞代さん、打田町)、ビタミンたっぷりの「夏野菜カレー」(宇田英子さん、同)が優秀賞に選ばれた。いずれも地元の野菜をふんだんに使った料理だ。
 今後、優秀賞受賞メニューはもちろん、入選した11メニューを各学校の給食担当者らに提案してゆく。藤沢さんは「和歌山で何が採れるか、知らない短大生もいますが、郷土の味を伝えてゆくことは大切。地元の食材を使うことは良い教育になると思います」と話している。

地産・地消…生産された農産物をその地域に住む人が消費すること。「食」と「農業」の距離を近づけることで、生産者、消費者双方が農産物に対する安全性への理解を深めるのがねらい。食料への安全志向の高まりを受け、注目を集めている。

写真=調理する参加者の目は真剣)