すこやか毎日Q&A
 「すこやか毎日Q&A」は、健康や教育に関する読者の皆さんの相談に医師、教育関係者が紙面上でお答えするコーナーです。
 相談はニュース和歌山で随時受け付けています。希望者は、ハガキに相談内容、住所、氏名、年齢、電話番号を書き、〒640・8570ニュース和歌山編集部「すこやか毎日Q&A」係へ。紙上匿名で掲載します。

     
2002年3月28日号の相談内容
(相談内容の詳細・回答は下記をクリック、またはスクロールしてご覧下さい)
   
★夜の行動覚えていない
      
★顎関節症って?
       
           
   
質問 夜の行動覚えていない
   
 小学4年生の娘。何年か前から夜泣きするようになり、初めはベッドの上で泣いているだけだったのが、最近は私たちの寝室に泣きながら来たり、2階の子ども部屋から1階に降りて、パジャマを脱いだりします。本人は覚えていません。だんだんひどくなっていますが、「寝ぼけている」と放っておいていいのでしょうか?         (和歌山市Y・N)
       
回答 よく見られる行動 やさしく見守って
     
回答者 百井亨先生
百井亨医師
ももいとおる=日赤和歌山医療センター第1小児科部長
 睡眠中に怖い夢を見て目が覚めることは大人も子どももしばしば経験する事ですが、大抵は夢の内容を覚えているものです。それに対してお尋ねの子どもさんのように、翌日全く記憶していない場合は「夜驚症」といわれます。これは夜間睡眠中(入眠後2時間以内が多い)に急に怯えて大声を出したり泣き出したりしてベッドから出てきて歩き回ったりしますが、まわりの人々の言うことは耳に入りません。呼吸が速く恐怖の表情を示しますが持続は10〜20分位でその後は寝入ってしまいます。翌日には「何か怖い事があった」と記憶している事はあっても、その内容や自分の行動については全く憶えていません。
 夜驚症は稀なものではなく、5〜7歳の男子に多くみられ、突然はじまりますが、長期にわたって繰り返し起こる事はまれです。大抵の場合半年以内、長くても1〜2年で見られなくなります。日中の怖い体験(テレビ番組や本、交通事故の目撃など)や緊張・興奮を伴う出来事などが誘引になって、その夜に起こる事がありますが、特に誘引なく起こる事の方が多いとされています。
 夜驚症は無理やり抑制したり、ベッドに戻そうとしても無効です。周囲に危険なものがあれば取り除いて子どもが怪我をしないように注意し、やさしく接して自然に落ち着くのを見守ってください。
 反復して起こり長期に及ぶ場合や走り回って怪我をする危険がある場合には、眠る前に鎮静剤を投与することがあります。また、心理的トラウマやストレスが原因となっている場合には、専門家によるカウンセリングが必要なこともあります。
 てんかん発作と紛らわしい場合がありますが、この場合は深夜から早朝にかけて起こる事が多く、吐き気や嘔吐を伴ったり尿や便をもらすことがあります。てんかんが疑われる場合には脳波その他の検査が必要です。
      

         
質問 顎関節症って?
      
 50歳の主婦。以前から物を食べると時々、耳の前でカクカクと音がしていたのですが、特に気にしていませんでした。しかし、最近、朝起き抜けには指一本分くらいしか口が開かないようなことがあり、知らない間にあくようになります。かかりつけの歯医者は、軽い顎関節症で痛みがない間は心配ないとのことでしたが、やはり心配です。顎関節症とはどんな病気で、どんな治療が必要でしょうか。昔から肩こりがひどいのですが何か関係はあるのでしょうか?     (和歌山市 M・K)
       
回答 スプリント装着やストレッチが有効
     
回答者 森田展雄先生
森田展雄医師
もりたのぶお=県立医科大学歯科口腔外科助教授
 顎関節症とは、顎を動かすときに▽痛みがある▽雑音を発する▽大きく口を開けることができないの症状の一つ以上がある関節の病気と言えます。
 一概に顎関節症と言いましても原因、症状が様々ですのでみな同じ治療法というわけにはいきません。最近では精神的、身体的ストレスが原因となったり、発症後に症状を持続させる要因になっていると考えられています。相談のこの方の場合は、顎関節を構成している一つである関節円板(顎の関節の中にありクッションの役割をしている)が前方に偏位しているために引き起こされた顎関節症と思われます。
 この症状が朝起きがけにのみ起こるようですので、肩こりや精神的ストレスによる睡眠中での歯ぎしりや噛みしめなどが原因になっている可能性があります。この様な場合は睡眠中のスプリント(マウスピースに似た器具)の装着や、日常のストレッチが有効です。
 現在のところ、顎関節症の長期的な経過に関しては詳しく分かっておらず外科手術等の身体に侵襲を加える治療はごくまれにしか行われていません。まず口腔外科専門医による検査・診断を受けられることをお勧めします。そして全身麻酔をしての手術が必要と診断された場合は複数の先生の意見を聞かれ、できるだけ慎重に判断して下さい。予防には日常生活でストレスをためないよう適切な運動、食事、睡眠をしっかりとることが大切です。