小中学校の授業でなじみの深い縦笛、リコーダー。ルネッサンス・バロック時代から奏でられている楽器で、西洋の古楽器に分類される。このリコーダーの演奏を通して、「和歌山に古楽を広めたい」と、西洋古楽研究家・演奏家の南部紗奏乎さん(26)が呼びかけ、今年1月に発足した。
古楽は1750年以前のルネッサンス・バロック時代の音楽を、当時使われていたオリジナル楽器や復元楽器で演奏する音楽をさす。
古楽に興味を持ち、音大時代、弦楽器の一種でチェロの前身のヴォオラ・ダ・ガンバを始めた南部さんは、古楽合奏にリコーダーが用いられることを知った。ポーポーと響く温かく柔らかな音色の木製リコーダー。「学校で吹いたピーピーとかん高い音のイメージが一転しました」
リコーダーの研究を始め、大阪や奈良、神戸でアンサンブルを披露。その反面、和歌山で古楽に触れる機会がないことに疑問を感じ、演奏する場を作ろうとアンサンブルを立ち上げた。
メンバーは現在12人いるが、ほとんどが「中学校や高校以来」の人ばかり。芳山秀子さん(33)は「長い間していなかったので思い出しながらやっています。柔らかな音色が気に入っています」。橘本綺子さん(63)は「コーラスをしていますが、年をとると声が出にくくなる。笛だと指が動けばいつまでもできるのでは」と挑戦。中尾公美さん(26)は「なじみのある楽器なのでとっつきやすいところがいい。1人で吹いているよりも、みんなできれいに音が重なったときがうれしいですね」と話す。
月2回の練習で、これまでに『アルマンド』(アノン)、『メヌエット』(バッハ)や、『小さな世界』『大きな古時計』など約10曲をマスター。時にはメンバーのリクエストを取り入れる。リコーダー と一口に言ってもソプラノからアルト、テナー、バスと音階ごとに楽器がある。今はまだ、基本的なソプラノやアルトリコーダーを練習しているが、南部さんは「低いパートを安定させ、12月には演奏会を開いてみたい」と目標を掲げる。
「吹けば鳴る、穴をふさげば音が変わる。そういう単純な楽器ですが、温かい響きに癒され、優しい気持ちになれる。私自身、リコーダーと出合って、人への接し方や心の持ち方が変わりました」と南部さん。「音楽知識がなくても、音符が読めなくても大丈夫。一緒にやってみませんか」
問い合わせは南部さん(073・423・4326)。
|