キッズ・サポートスクール
 社会のルール自分たちで
紙芝居活用し心理に迫る
善悪考えるきっかけに
        
紙芝居を通じて心の動きを考えた 県警少年課の少年サポートセンターは5月末から、学校と連携し小中学生に社会のルールを自ら考えてもらう授業「キッズ・サポートスクール」を本格的に始めた。少年非行をモデルにした話を紙芝居で見てもらい、非行に直面した心の動きを子どもたちに想像してもらう試みで、学校からは「子どもが善悪について考えるきっかけになる」と期待の声があがっている。

(写真=紙芝居を通じて心の動きを考えた)


        
 犯罪の低年齢化が進む中、再三、指摘されるのが子どもたちの「規範意識の低下」。青少年の薬物乱用問題については、県警が防止教室を学校で開くなど取り組みが進んでいるが、少年非行全般に関しては「啓発活動など単なる呼びかけに終始してきた」(県警少年課)と、解決に向けた大きな取り組みはなかった。 
 キッズ・サポートスクールは大人が一方的にルールを守るよう押しつけるのでなく、子どもたち自身が語り合う中で、社会のルールを守ることについて、また、それを破るとどうなるかを考えてもらうのがねらい。2年前から「サポートスクール」を始め、今や全県的な取り組みにまでした石川県警にならった。
 スクールでは、教師と少年サポートセンターの職員が、「万引き」「いじめ」「盗み」をめぐる子どもの心の揺れを紙芝居にたくす。例えば「盗み」は、ゲームが欲しくてたまらない少年が母の財布から金を盗むが、友達にそそのかされてゲームソフトを盗み、つかまるまでがストーリー。その後、子どもたちが自分の立場に置き換えて語り合い、同じような状況に置かれた時の自分のあり方を考えてもらう。
 また、授業の内容を示したテキストと保護者用に作ったアンケートを配布。家庭でも議論が深まるよう期待をかけている。
 5月28日には、和歌山市立太田小で第1回のキッズ・サポートスクールを実施。テーマは「盗み」で、少年サポートセンターの職員が、先のゲームソフトをめぐる紙芝居を語りきかせた後、少年が母親の金を盗む時、ゲームを盗む時、見つかって親に悲しまれた時の気持ちについて教師が順を追い質問。子どもたちから「誘惑に負けない心が必要」「盗んだのは勢いもあったと思う」「本当はしたくなかったけど、してしまった」と心理に細かく思いめぐらせた意見が続々と出た。
 担任の岡正人教諭は「紙芝居なのでとっつきやすかった。専門家の体験談も聞けて、学校の中だけではできない授業だと思いました」。また、第1回に先立ち、和歌山市立宮小、吹上小、日進中で行われた試行授業も好評。日進中学の土谷喬校長は「中学生の場合、社会的責任を意識させる側面が欲しい」としながらも、「授業自体には深みがあり、ぜひ全クラスでやりたい」と高く評価している。
 県警少年課は夏休み前に集中してスクールを実施する予定。少年サポートセンターの田中純子係長は「サポートスクールはルールについて子ども自身に気づいてもらうのが特徴。基本ルールを教える場はやはり必要で、長い目で見て学校や子どもたちが変わったと思えるようになって欲しい」と話している。