| 全国杖道大会を制覇 |
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経験2年余、初出場で達成
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岩淵仁美さん、石上望さん
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5月2日に滋賀で開かれた「第43回全国杖道(じょうどう)大会」で、和歌山市六十谷の岩渕仁美さん(27)が初段の部、同市小雑賀の石上公望さん(26)が段外の部でそれぞれ全国優勝した。2人は県内唯一の杖道道場、空心館(同市中之島、金谷順司館長)に所属。ともに経験わずか2年余ながら、初めて出場した全国大会をいきなり制した。金谷館長は「全国に通じる選手が出て、和歌山の名前を上げることができました。本当によくやってくれました」と喜んでいる。
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杖道は400年の歴史を持つ日本の古武道。長さ約1メートル30センチ、直径2・5センチのカシの丸棒を使い、試合は型の善し悪しで勝敗を決める。力よりもスピードや呼吸を重視し、護身術にもなるため、子どもからお年寄りまで体力がなくても無理なく取り組めるのが特徴。
空心館は6年前に設立されたばかりで、わずか3人だった生徒も今では約50人。当初は仲間うちで練習試合をするレベルだったが、4年前から関西杖道大会や大阪杖道大会に出場しており、徐々に入賞する選手が出始めた。レベルの向上が目に見えてきたことで、今年初めて7人が“全国”に乗り込んだ。
大会には約250人が参加。試合は選手同士が向かい合って型を競うのでなく、2人の選手がそれぞれ木刀を持つ人を相手に、「着杖(つきづえ)」「水月(すいげつ)」など定められた5本の型の善し悪しで勝負。打ちの正確さや体のさばき具合などを3人の審判が判定する。
相手を目の前に対戦するわけではないので、岩渕さん、石上さんとも「型がくずれないように、落ち着いて試合に臨みました」と振り返る。2人とも5回戦を戦ったが、正確に杖を操り、初段の部で岩渕さんが、段外の部で石上さんが全国制覇。他の5人も優秀敢闘賞や敢闘賞に輝いた。
2人が杖道を始めたのは2年半前の本紙「ひと」欄の記事がきっかけ。講習会に参加した岩渕さんはそのままのめり込み、仕事が終わった後、週3回、道場に通う。「力がいらず技をきめられるのが気持ちいい」と笑う。
一方の石上さんは元野球少年。しかし、高校時に患ったヘルニアの後遺症で激しいスポーツは禁じられていた。軽い気持ちで道場を訪ねたが、「これなら健康のため長く続けられる」と実感。練習に通ううちに、魅力にとりつかれた。
2人とも杖道歴は浅いが、金谷館長は「岩渕さんは通常の練習時間以外も1人で黙々と練習するほど熱心。石上さんは技にスピードがあり迫力抜群です」と絶賛。全国制覇については「入賞はするかもしれないと思っていましたが、まさか優勝してくれるとは」。
実は石上さんが大会で勝ったのは今回が初めて。これまでは「全部1回戦負け。だから今回はそろそろ1勝したいと臨みました。優勝した時の喜びより、1勝目の喜びの方が大きかった」とにっこり。岩渕さんは「調子よく勝ち進んだのが信じられない」と喜びを隠せない様子だ。
一般にはあまりなじみのない杖道だが、「東京、大阪、福岡で徐々に競技人口が増えており、全国的には4、5万人くらいいると思います」と金谷館長。「力を必要とせず、子どもからお年寄りまで親しめる。県内でもっと普及させ、和歌山大会が開けるくらいにしたい」と抱負を話している。
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