馬術界発展の第一歩に
30年ぶり和歌山で大会
競技人口の拡大ねらう
      

迫力あるジャンピングが見られる 乗馬の魅力再びーー。県馬術連盟(尾藤昌平会長)は7月20日(土)午前9時から、和歌山市平井の乗馬クラブグリーンオアシスで県馬術大会を開催する。県内での馬術大会は和歌山国体以来、約30年ぶり。国体で盛り上がった乗馬熱も80年代以降、高校の馬術部の廃部など馬に親しめる環境は廃る一方だった。今大会開催に尽力した同連盟理事の平原一樹さんは「小規模ながら和歌山の馬術界発展の新たな第一歩にしたい」と意気込んでいる。

写真=迫力あるジャンピングが見られる)


      
 1971年の和歌山国体前後、県内の馬術シーンは盛り上がりをみせていた。国体に先駆けて68年に県馬連が発足、続いて紀三井寺競馬場の隣に厩舎(きゅうしゃ)や練習場が開設、県立那賀高校に馬術部が創設された。平原さんは那賀高校の馬術部に入部し、和歌山国体で団体優勝を勝ち取っただけでなく、個人で9位に輝く活躍をみせ、和歌山の馬術界の発展を予感させた。
 しかし、82年、部員数減から那賀高校馬術部が廃部。さらに88年に紀三井寺競馬場が閉鎖され、市民が馬に親しめる環境が一気に減った。和歌山国体翌年に同市狐島にオープンした古川乗馬クラブが唯一、運営していたが、経営難から同クラブも97年に閉鎖。県内から乗馬できる場所が消えていった。
 そんな中、県内に乗馬施設を新たにつくろうと腰をあげたのが平原さん。平原さんは社会人になった後も馬への情熱を捨てることなく他府県のクラブに通っていたが、身近な練習場が欲しかった。「いっそ乗馬クラブを自分でつくろう」と思い立ち、2000年5月に乗馬クラブ「グリーンオアシス」を同市平井に設立した。
 最初はメンバー10人、馬8頭だったが、乗馬に関心を示す人が徐々に増え、今では30人、馬は16頭にふくれあがった。休日を中心に子どもから大人まで幅広い年齢の人が練習に励んでおり、最近では他府県の競技会に参加する選手も出てきた。中でも平原さんの娘の枝里香さん(高校2年)は今年に入り、西日本馬術大会で5位、関西高校王座決定戦の馬場馬術の部で優勝するなど目にみえてレベルアップしている。
 今回、約30年ぶりとなる県内の馬術大会は、このような選手のレベルアップを受けて開催。初心者から中級者レベルが対象で、決められたコースを走る正確さを競う「馬場馬術」、いかに速く思い通りに誘導するかを競う「ジムカーナ」、障害を越える「ジャンピング」の3種目を設けた。
 同大会には平原さんを始め、クラブ員約30人が出場するが、ほとんどが大会初出場。「競技に出ると『うれしい』『くやしい』というのがある。それを感じてもらい、とにかく選手に楽しく、ケガなく無事にやってもらいたい」と平原さん。また、久々の開催となることから初出場選手はもちろん観客も初めての人が多くなる点に配慮し、競技の説明を交えながら大会を運営する計画だ。
 また、1989年から毎年、近畿各府県が持ち回りの「近畿ブロック大会」が開かれているが、和歌山の場合、ホスト県になっても、同クラブの施設では競技場や厩舎、障害類など必要な設備が整っていないため、大阪の施設を借りざるを得ない状況にあった。平原さんは「ブロック大会を県内で開くことができないのは近畿で和歌山だけ。民間の力では無理なため、県営や市営の競技施設がほしい」と望んでおり、大会を機会に、まず、馬術人口の底上げを図りたい考えだ。
 平原さんは「大会で馬場馬術の優雅さ、ジャンピングの迫力を見てほしい。ジュニアの選手がどんどん育ってくれるとうれしい」と期待している。問い合わせはグリーンオアシス(073・452・6691)。