PMFオーケストラのメンバーに
東出さん(ホルン)、北島さん(ヴァイオリン)を選抜
デュトワの指揮で演奏
    

 

 音楽家の故レナード・バーンスタインの提唱で始まったパシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)で演奏する「PMFオーケストラ」。世界各国のオーディションで選抜された若手音楽家で編成する同オーケストラのメンバーに、和歌山市出身の東出真澄さん(26=ホルン)と北島佳奈さん(21=ヴァイオリン)が選ばれている。2人は世界の一流音楽家から指導を受けながら、7月6日から7月27日まで札幌を主会場に開かれている同フェスティバルに、世界的な指揮者でPMF音楽監督のシャルル・デュトワや、ピアニストのマルタ・アルゲリッチらとともに出演する。

写真=東出真澄さん=左、北島佳奈さん=右)


      
 PMFは、世界の若手音楽家の育成を目的にバーンスタインが提唱、1990年から始まった国際教育音楽祭。毎年、日本を始め、ニューヨークやパリ、ウィーン、モスクワなど世界20都市で開かれるオーディションで選抜された18歳から29歳までの若手演奏家でオーケストラを編成する。今年は59カ国・地域の1006人のオーディション受験者から28カ国・地域の114人が参加。7月はじめから約一カ月間、北海道に滞在し、デュトワや世界的な音楽家から指導を受けながら、フェスティバルで開かれるコンサートで成果を披露している。また、アルゼンチン出身で世界のトップピアニストとして知られるアルゲリッチがゲスト出演しており、共演できるのも大きな魅力となっている。
 東出さんは小さいころからピアノを習い、ピアノの先生になることを夢みていたが、西和中で吹奏楽部に入りホルンと出合う。開智高校から愛知県立芸術大学に進み、現在は小牧市交響楽団に所属している。
 PMFは大学時代から一度は受けてみたいと思っていたが今回初挑戦で合格。「デュトワ氏の指揮でホルンを吹いてみたい」という希望が叶えられた。「世界で活躍する先生からレッスンを受けたり、オーケストラで演奏会をしたり、めったに経験できない魅力的なこと。今後の人生にとって大きな力になると思います」と期待を寄せる。
 初日の6日に札幌芸術の森の野外ステージで開かれたオープニングコンサートは雨が降っていたが、「気持ちよく演奏できました」と東出さん。「言葉がなくても世界中に通じる音楽で、人を感動させることができればうれしい。演奏することに幸せを感じています」と話している。
 北島さんは西浜中、星林高校から京都市立芸術大学に進み、現在3年生。ヴァイオリンを4歳から始め、高校生まで和歌山ジュニアオーケストラに在籍していた。
 PMFには小学生時代からの師である久合田緑同大教授に勧められ、大阪でオーディションを受けた。当日はデュトワが審査に訪れていたが、北島さんは舞台に出るまで知らなかった。「合否が決まることより、デュトワ氏に自分の演奏を聴いてもらえる幸せで頭がいっぱいになり、それまでの緊張が違うものに変わりました。ものすごくうれしく、リラックスして受けることができました」と振り返る。合格が知らされたのがちょうど誕生日で、「まさか受かるとは思っていなかった。一番のプレゼントになりました」。
 国際的な音楽祭に参加するのは初めての北島さん。「音楽はもちろん、他国の人と触れ、異文化やいろんなことに興味を持てるようになりました。みんなそれぞれに素敵な音色で本当に感激しています。その中で自分が出せる一番良い音を奏でて、みんなの音色にとけ込み、一つの音楽をつくることに感動しています」と話している。
 久合田教授は「PMFは世界の第一級の音楽家に教えてもらえるだけでなく、同じステージで演奏できることが、音楽家として大きな感動と刺激になるでしょう。今後の音楽人生を支えるパワーになると思います」とエールを送っている。