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「自分たちの図書館づくりにかかわろう」。湯浅町は図書館と老人いこいの家を改築整備するにあたり、子どもたちや一般町民、お年寄りを対象にワークショップを実施している。図書館設置に際し利用者の意見を聞く例はあったが、小学生まで対象に含めるのは県内初。設計を担当する和歌山市の建築家、中西重裕さんは「構想段階から住民の意見を取り入れることで、運営にもかかわってゆけるような施設にしたい」と考えている。
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湯浅町立図書館が入っているのは、1962年に湯浅郵便局として建造された建物。局の移転に伴い、84年以降は町文化福祉センターとして内部に図書館や老人いこいの家を整備し、親しまれてきた。築後40年がたち老朽化が進んだことで改築案が浮上。これを機会に、より利用しやすい施設とするため、ワークショップ形式で町民の意見を聞くことになった。
図書館を管轄する町生涯学習課は「建て替えも考えましたが、取り壊しで廃棄物が出ることや費用を考えて改築を選びました」。建物は鉄筋コンクリート2階建てで、広さは約860平方メートル。いわゆる昔ながらの“お役所的”な外観だが、構造体の柱を残して外壁をほとんど取り払い、何カ所か筋交いで補強、大きな窓をはめこんでイメージを一新する。
ワークショップを提案した中西さんはすでに1階に図書館、2階に老人いこいの家やギャラリー、研修室を配置する基本案を提示しているが、ワークショップで得た意見を取り入れながら実施設計に入りたい意向だ。
図書館整備にあたり利用者から意見を聞くことは、一昨年秋にオープンした南部町立図書館が試みた。だが、小学生や中学生を対象にワークショップまで開くのは、県内ではほかに例がない。
今回のワークショップは「湯浅町の図書館をみんなで創る〜みんなが参画するワークショップ」がテーマ。中西さんを中心に、これまで地元の小学生や高校生、いこいの家利用者、読み聞かせの会のメンバーを対象に実施した。
7月22日は、図書館に隣接する耐久高校の図書委員ら11人が参加。中西さんが「どんな図書館だったらいい?」「図書館でこんな事ができたらな」「湯浅町の図書館をこんなにしたい」「図書館に協力できること」の4点を示したうえ、「自分の思いを対等の立場で話し合いましょう」と切り出した。
生徒は2班に分かれ、それぞれ図書館に望むことを紙に書いて出し合った。提案された内容は、「母と子の目線を近づけるためにソファーがほしい」「洋書がたくさんほしい」「漫画を置けば新しく来る人もいる」「古くなった本を回収しよう」「遅くまで開けてほしい」など。老人いこいの家と同じ建物にあることを意識し、「お年寄り向けに畳の部屋が必要」「ふれあいの場がほしい」といった意見もあった。それをジャンル別に分類しながら、机の上に広げた大きな紙にはり付け、さらに内容を深める作業を行って、最終的に要点をまとめて発表した。
3年生の北野尚子さんは「町の図書館には司書の方が一人しかいないので、前々から2人はほしいと思っていました。その意見を言えましたし、図書館づくりに自分たちが加われたことで、やりがいを感じます」と満足した様子。
発表を聞いていた中西さんはいろいろな意見が出たことを喜びながら、「ワークショップで意見を言って、これで終わりではありません。高校生として図書館に対してできることはあるはず。使っていく皆さんの気持ちが大切です。これからも意見を聞く機会を設けてゆきたい」と述べた。
中西さん自身は「蔵書予定は3万冊ですから、ほかと差別化して特徴ある図書館とするためには町内外の公立や大学の図書館とネットワークを組み、貸し借りを柔軟にすることが課題」と指摘。また、「住民が“図書館サポーター”として図書館活動を幅広く支えられるよう、運営面を含めた協力体制を組んでほしい」と願う。
今後は、中学生や一般公募の町民を対象にワークショップを開き、意見を取りまとめたうえ実施設計に入る。図書館は7月末で閉館し、来年8月にオープンする。
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