さて、どこと組む!
市町村合併 自治体の思惑様々
      
         
 2005年3月末の合併特例法の期限まで2年を切った。本紙配付地域では、岩出町を除く那賀郡5町が結成した合併検討協議会から打田町が脱退したことで、枠組みの見直しを余儀なくされている。逆に、海南市と下津町が重点地域に指定され、合併に向け加速しそうだ。小規模合併で乗りきるか、合併せず単独で進むか。あすの統一地方選が終われば、問題解決に向け一気に進む可能性がある。

     
地図 昭和30年(1955年)ごろのいわゆる「昭和の大合併」以後、大規模合併はほとんど行われなかったが、2001年5月に浦和など3市により百万都市のさいたま市が誕生、今年4月には静岡市が清水市を編入するなど進みつつある。財政面の優遇措置がある合併特例法の期限が2年後に迫っており、今後、合併は加速することになる。
 和歌山では、県が01年末から那賀郡6町や、有田市と有田郡5町などを合併重点支援地域として順次指定してきた。しかし、岩出町が早くから単独市政移行の方針を打ち出すなど、足並みはそろっていなかった。
 岩出の方針を受け、那賀郡の残り五町は昨年3月に「市町村合併検討協議会」を設立、方向性を探ってきた。しかし、10月に貴志川が海草郡の野上から合併を持ちかけられていることを明かし、今年1月には打田が同協議会からの脱退を表明したことで一旦白紙に。今後は、貴志川、桃山、粉河、那賀の四町で枠組みを話し合うことになる。
 貴志川は昨年11月に町民アンケートを実施したが、打田の離脱で4月中旬に急きょ「町民の意見を聴く会」を開くなど対策をとった。今後の選択肢としては、「残る那賀4町で」「貴志川流域の桃山、野上、美里と」「野上、あるいは桃山、あるいは野上・美里との小規模で」「那賀4町に加え野上、美里との6町で」などが考えられるが、現時点で方向性は出ていない。
 打田は「5町での合併はないが、単独で進むか、貴志川なり桃山なりとの可能性を探るかは今後の検討課題」とするなど流動的だが、貴志川は「那賀四町での協議会で方向が決まる」とみる。
 一方、海南市は当初、海草郡の下津、野上、美里との広域合併を視野に01年2月、「海南海草広域行政研究会」を発足させた。しかし、こちらも野上が「貴志川との合併を軸に調整する」と意向を示したため解散。
 逆に、有田市との合併も検討していた下津が昨年12月、海南市と進める方針を固めたことで、今年1月に「海南・下津合併研究会」を発足させた。2月に県から合併重点支援地域の指定を受け、5月1日には「海南市・下津町法定合併協議会」を設置する。
 海南が今年実施したアンケートでは、下津との合併を支持する声が5割を超えていた。ただし、「他の市町村と進める方が良い」「法期限にとらわれず、慎重に進めるべき」との声もあった。
 こういった動きに対し、模様眺めなのが和歌山市。人口も他市町村と格段に差があることから、当初から県の合併構想に入っていない。同市企画総務課も「合併によって地域全体が発展するのは必要だが、具体的な協議は行っていない」と話すにとどまった。
 各市町村は、合併特例をにらみながら、生活圏などを考慮して全体の枠組みを模索することになる。といって、のんびりしていれば合併できない可能性もある。「地理的に接していなくても合併は可能」(県合併推進室)だが、北山村など特殊な例を除けば実質的に難しい。市町村間の綱引きなど、しばらくは混迷が続きそうだ。
     
合併に一言
 将来を見据え「福祉」「産業の育成・振興・観光開発」に積極的に取り組むべき。「人類愛」「郷土愛」を基軸にしてのものであっていただきたい(75歳、男性)▽人口が少ないと税収が落ちる。1市町村当たり何人という基準を法律等で設け強制しても良いと思う(38歳、男性)