和歌山大学と県教委は、岩出中学校などでのスクールボランティアや大学教員の高校への出張授業などさまざまな連携している。ミュージアムボランティアもその一環で、2月に提携調印式が行われた。総合的な学習の時間や学校週5日制の導入で体験学習が重視され、ミュージアムの利用が増えているなか、学生がボランティアで協力することで、学校教育や生涯学習と、ミュージアム活動の連携を深めるのがねらい。
同大の高須英樹教授は「学校現場は新しい方向を模索している。博物館は教育施設として素材をいっぱい持っており、教員を目指す学生にとって博物館の意味、意義、活動内容を知っておくことはプラスになる」。
学生ボランティアを受け入れるのは近代美術館、博物館、紀伊風土記の丘、自然博物館の4館。展示や関連イベントの準備、来館者の案内を始め、図書、文献資料の整理、音声ガイドの作成、標本の登録作業のほか、体験学習で訪れた児童や生徒への解説や指導も行う。
すでに紀伊風土記の丘、自然博物館、博物館で計9人が春休み中のボランティアとして活動を始めている。紀伊風土記の丘に派遣されている小学校教諭志望の生駒綾子さん(4年)は、「体験学習について具体的に知っておくと、教員になったとき、子どもたちに伝えられる情報が増えるし、指導方法は授業に生かせる。博物館の内側を知っておきたいと思って参加を決めた」と話す。
これまで同館が催しているまが玉や埴輪などのモノづくりや古代体験を手伝ってきた。「子どもと触れあえる機会がもて、とても楽しい。どうすれば興味を引きつけることができるか、わかりやすく伝えることができるか、学芸員の方のそばにいると勉強になります」と生駒さん。新学期以降も続けて参加していきたいと意気込んでいる。
紀伊風土記の丘では歴史を教材とした体験学習に力を入れている。永光寛副館長は「体験学習は展示物を自由に見てもらうのと違い、人と人との交流が大切。学生の参加によって対応できる人が増え、サービス向上につながるし、学生も生きた勉強になると思う」。また、入館者の半数を小学生がしめることから「年齢の近い大学生が接することでより親しみを持ってもらえるのでは」と話している。
大学では新学期以降も新たに希望を募り、派遣を継続していく。また、現在は単位認定していないが、今後、ボランティア希望者の数や実習内容を見ながら検討する。
県文化財課は「ミュージアムは文化の拠点であり、身近に親しんでもらえる場を目標にしている。この活動は文化に関心のある“人づくり”につながる」と期待を寄せている。
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