日本七宝作家協会選抜関西展
夕焼けに光るモチノキ描く
大阪府知事賞に豊田田鶴代さん
         
受賞作「茜燃ゆ」と豊田田鶴代さん 和歌山市西浜の豊田田鶴代さん(74)の七宝焼き作品「茜燃ゆ」が、3月25日から6日間、大阪市立美術館で開かれた「第5回日本七宝作家協会選抜関西展」(日本七宝作家協会主催)で大阪府知事賞を受賞した。同展には関西を中心に全国から約180点の応募があり、大阪府知事賞は造幣局長賞に次ぐ2番目の賞。豊田さんは「まさか受賞するとは思っていなかったのでびっくりしました。この年になって賞をいただいて、励みになりました」と喜んでいる。
 受賞作は自宅庭にある樹齢150年のモチノキが夕焼けに染まる空に浮かび上がる光景を表現。深く力強い赤を背景に、金箔を使って黒く照り光りする木を存在感豊かに描いている。
 豊田さんは、妹で同協会会員の中谷幸さんに勧められ、12年前から七宝焼きを始めた。七宝焼きは銅にガラス質の釉薬を焼き付けて絵柄を表現するが、「窯から出したときの真っ赤な色合いに心躍らされ、十数年続けてきました」とほほえむ。1995年には和歌山市展で市長賞を受賞。「作りながら楽しいなと思うと、やはり作品にも迫力が出る」といい、今回の受賞作制作中も「あれこれ考えながら釉薬を画面の上に置いているときがとても楽しかった。今回使った赤の釉薬は初めて挑戦したものですが、期待通りの色が出ました」と振り返る。
 「周りに支えてもらいながら七宝焼きを続けてきましたが、年も年だし、もう辞めようかと考えていた。そこにこんな賞をいただいて、また少しずつ挑戦してみようかなと思っています」と話している。

写真=受賞作「茜燃ゆ」と豊田田鶴代さん)