新商品開発や新分野への進出を考えている“やる気”企業の支援に、県と商工会議所、わかやま産業振興財団が協力している。6月から対象企業を募集し、第1回プロデュース企業13社を決定。企業状態を洗い出し、飛躍の一助となるよう支援策を練っている。
新しいことにチャレンジしている企業を重点的に支援する「わかやま産業イノベーション構想」の一環。従来だと、業界全体の支援を旗印に組合などへの補助金交付が一般的だったが、個別企業支援へ方向転換した。
支援希望企業に対し、商工会議所・商工会が経営診断士を派遣。事業内容や製品、売上高、利益、経営課題、今後の計画などを聞き取り、「企業カルテ」を作成する。それを産業振興財団の企業カルテ評価委員会がチェックし、支援企業を決定。その後、中小企業診断士やITコーディネーターでつくる同財団プロデュースチームが企業からヒアリングして支援策を検討したうえ、経営革新や新製品開発、販路開拓といったビジネスプランを提示する。
第1回プロデュース企業には34社の応募から13社が選ばれた。スケルトンのソリ製作で知られるニギテック(仁儀吉寿社長)は、福祉器具関連への進出を検討していることが評価された。
福祉器具は多数出ているが、仁儀社長は「既製品だと限界がある」と指摘。風呂や階段の手すりでも、障害者の体の状態はそれぞれ異なるため、付ける場所や形で使いやすさが変わる。「これまでは既製品に体を合わせていたが、障害の状態に器具を合わせるべき。加えて、機能性だけでなく、オーダーだとニーズに応えたうえ、デザイン的にも美しいものを作れる。それだけの加工技術はある」ときっぱり。
田辺市に本拠を置くIT企業の五大オーエー(五鬼継=ごきつぐ=義文社長)は、県内全市町村の福祉データベースシステムと、28市町村の社会福祉協議会向け会計管理システムで実績がある。だが、全国で進む市町村合併により、社福協自体が減少することから、新たな顧客開拓が急務。五鬼継社長は「全国を視野に入れ、販路を開拓したい。うちは社福協に対して会計指導ができるのがメリットで、各社協からも指導を求められます。また、大手が手つかずだった寄付金を含めた一括処理などもシステムに組み込んでいる」と明かす。
ほかにも、シラス加工やサウナ製造設備、健康ビール製造などユニークな企業が並ぶ。産業振興財団は「プロデュースする企業は3カ月ごとに新しく受け付けます。年100社をプロデュースする計画ですが、今年度は50社程度」と見込んでいる。
問い合わせは同財団(073・432・3412)。 |