紀州うめどり・うめたまご梅酢生かし新県産品

健康イメージ受け人気上昇

県「和歌山の定番食品に」

        

 梅酢の栄養素を生かした「紀州うめどり・うめたまご」が新県産品として人気が高まっている。うめどり・うめたまごは、梅を塩漬けにした際に生じる梅酢から塩分を抜き濃縮した「脱塩濃縮梅酢」(BX70)をまぜたエサで育てた鶏肉と鶏卵。研究の結果、鶏の病気への抵抗力が高まるだけでなく、卵には人間の体内細胞の分裂を促す「葉酸」が多く含まれることが分かった。消費者からの注目も上がっており、県は「まず地元で愛されるブランドにしたい」と話している。

          
 青梅を塩漬けした際に生じる梅酢は、塩分濃度が極めて高く、これまで有効利用されず廃棄されていた。しかし、3年前にこの梅酢の再利用を模索していた梅干製造販売企業紀州ほそ川(みなべ町)の細川清社長が塩分を抜いた「脱塩濃縮梅酢」の生産技術を開発。県養鶏研究所と共同でこれを鶏の飼料にまぜ、飼養効果を研究してきた。
 県畜産課によると、この結果、梅酢を食べた鶏の病気に対する抵抗力が強くなるほか、異物を排除する鶏の体内のマクロファージが3倍から4倍に高まることが判明。同課は「鶏の免疫性が高まり、鶏が死ぬ率が低下した」と言い、養鶏場からは「梅酢の利用で鶏の便がやわらかいものから固体に変わった。腸が元気になっている証拠で臭いも少ない。何より鶏が元気で飼いやすくなった」との声が出ている。
 また、梅酢で育てたブロイラーは、時間を経ても肉から出る汁の量が少なく鮮度が保たれ、卵では、卵内のビタミンBに含まれる「葉酸」が通常の卵より約3割増えることが分かった。葉酸は、増血を促し細胞分裂に役立つビタミンで、県畜産課は「小さな子どもたちや妊婦に向けてPRできる要素も出てきた」と期待を高めている。
 昨年(2005年)には、うめどり、うめたまごを県産品としてPRしようとブランド化推進協議会を結成し、一部のスーパーや東京の喜集館などで販売を始めた。出荷も順調で、同協議会副会長で有田養鶏農業協同組合の平松重人代表理事は「鳥インフルエンザの問題があった京都の消費者が健康イメージの強いうめどりに注目し、そこから広がり始め、それが和歌山で広がってきた感じです」と話し、最近は「大阪から車で和歌山まで買いに来る人や、関東から直売で購入する人も多い。実は現在、供給が追いつかないんです」と話している。
 出荷も順調で、県によると、昨年の出荷はブロイラー約100万羽。卵の生産は約1800万個にのぼった。県は今年度、卵内の葉酸を全面に出し、「たまごごはんにいい卵」とPRし、さらに認知度アップを図る一方で、脱塩濃縮梅酢を粉末化し、使いやすくする取り組みに新たに乗り出す。また、新しく脱塩濃縮梅酢を導入する農家への補助や指導を実施。また、特産の地鶏「紀州鶏」で試験を行うなど生産拡大を図る。
 平松さんは「これまでいろいろなブランドの鶏、特殊な鶏が現れ消えていった。うめどり、うめたまごは従来の特殊鶏のように値段は高くしておらず、健康な食品として息の長い商品にしたい」。県は「まず和歌山の定番の鶏にしたい」と話している。

写真=コーナーを設けるスーパーも=メッサ岩出西店で