(4)一生楽しく過ごせる宝箱

ヤッホーおじさん しぜん教室講師 貴瀬誠さん(48)


        

-------ニックネームは「ヤッホーおじさん」。名前の由来は。
 1999年に南紀熊野体験博が開かれた時、熊野古道を歩くことで何かを感じてもらいたいと考えました。具体的に提供でき、なおかつリピーターが増える要因になるのではと思ったのが「やまびこ」でした。解説付きのカセットテープを1000本作り、来場者や知人に配布しました。そのやまびこ調査が「ヤッホーおじさん」の由来です。
-------高校時代から山のおもしろさを伝えたいと考えていました。
 大阪の北摂地域の山間部で育ちました。高度成長期で宅地開発が進み、新しい住宅地が迫ってくると柵ができ、川に入るな、山に入るなと書いた立て札が立ち、子どもたちが山で遊ばなくなりました。貴重な体験ができる自然を子どもから奪うといろんな意味で影響が出ると思っていました。94年に和歌山へ引っ越してきてからは笛づくりや、山や川で化石や石器、遺跡の発掘、“光る木”やホタルの観察会を開いています。
-------和歌山の自然はおもしろい。
 めずらしいカタツムリがいたり、紀伊風土記の丘にヒメボタルが何万匹も飛んだり。自然には図書館がいっぱいになる情報が眠っていますが、和歌山はその“図書館”が一回りも二回りも大きくなるほど情報量が多い。それに拠点拠点に造詣の深い専門家がたくさんいるのは大きな魅力です。同じ山でも違う専門家と登ると新しい発見がつきることなくあります。
-------貴瀬さんにとって“自然”は。
 一生楽しく過ごせる宝箱です。多くのことを学びました。たとえば虫は死ぬまで蜜をすっています。その時を精一杯生きる強さを見習いたい。今の子たちがどう大人になっていけばいいのか、その答えは自然の中に眠っています。
-------今後の夢は。
 自宅裏手の紀泉高原に年間何度も登るのですが、生物の図鑑を登山道に立てるなど自然観察しながら山を歩けるよう整備したい。また、炭焼きの跡や30年前の登山道を見つけました。そういった地元の歴史も掘り起こし、きちんと調査して正確に伝えたいと考えています。