ゴールデンキッズ発掘プロジェクト
育て! トップアスリート
運動能力の高い児童を育成

     
◆3年かけ身体や知力能力開発
      
 和歌山からオリンピックなどスポーツの国際舞台で活躍する人材を育てようと、県教委は今年度(2006年度)、「ゴールデンキッズ発掘プロジェクト」に乗り出す。現在の小学3年生から運動能力の高い児童を発掘し、発達段階に応じた育成プログラムで能力を伸ばす全国初の試みで、9月11日(月)から体力測定会参加の申し込みを受け付ける。県教委は「国際舞台で活躍したい子や自分の可能性に挑戦したい子どもたちを待っています」と話している。
              
 和歌山のスポーツの競技水準は低下傾向にあり、一昨年の埼玉国体の総合成績は最下位の47位、昨年の岡山国体でも43位。また、中学高校では運動部の休廃部が増加するほか、体力測定で50メートル走が小学校全学年で全国平均を下回るなど深刻な状況にある。
 県教委はこのような現状をふまえ、スポーツをしている児童はもちろん普段スポーツをしていない児童の能力を見い出し、育成することを企画。日本オリンピック委員会(JOC)や日本スポーツ振興センター国立スポーツ科学センターらの協力を得てプロジェクトの推進を決めた。
 プロジェクトでは、まず、小学3年生を対象に体力測定会を実施。握力、上体起こし、50メートル走など7種目のテストを受けてもらい、国立スポーツ科学センタースポーツ情報研究部研究員やJOCの情報・医・科学専門委員会情報戦略部のメンバーらでつくる選考委員会が選ぶ。さらに2回の選考会を重ね、来年4月までに約50人を「ゴールデンキッズ」に認定。その後、4年から6年まで、「育成プログラム」で体力向上を図ってもらう。 
 プログラムの特徴は育成する児童の年代。9歳から12歳は神経系の発達が進み、動作の習得への準備姿勢も整う一方で、脳や神経系が柔らかい。競技力向上に必要なスキル獲得の重要な時期とされ、「ゴールデンエイジ」と呼ばれており、県教委は「年齢に応じて効果的な育成を図ることができる」と言う。
 内容は「身体能力」「知的能力開発」「食育」「保護者サポート」の四分野で、定期的な講習形式。「身体能力」は身体を動かす能力や状況判断、動体視力のトレーニング。「知的開発」は説明能力や自己表現、コミュニケーション能力を育てる。「食育」では食や生活慣習、「保護者サポート」はスポーツと栄養、ストレスへの対処法を保護者に講習する。なお特定のスポーツの指導や講習は行わない。
 県教委は「体力だけでなく知的能力やメンタル面の育成も図る。保護者には体づくりに関する最新のことを知ってもらえる」と語る。
 同プロジェクトの実行委員を務める本山貢和歌山大学教授は「体格や経験ではなく、普段あまり運動していない子の能力発見にもつながる」と話し、「将来的に大舞台で活躍するアスリートが育つのを目指す一方で、低下がみられる子どもたちの体力の現状を知ってもらい、プロジェクトを通じ、体づくりについての意識が学校や地域に浸透するきっかけになれば」と期待をかける。
 体力測定会は11月4日(土)ビッグホエール、12日(日)県教育センター学びの丘(田辺市)、12月16日(土)ビッグホエール、17日(日)同と4回開催。希望者は11月開催分は9月11日から10月13日までに、12月開催分は11月24日までに所定の申し込み用紙で県スポーツ課へ。問い合わせは同課(073・441・3691)。