(5)日本古来の生活風景を

ビオトープ孟子理事長 北原敏秀さん(58)


        

-------活動拠点は海南市孟子です。
 子どもの頃によく遊んだところで仲間同士が集まり、憩える場を作ろうとしたのが8年前です。観察している内に、周りの環境や自然の大切さを子どもに発信する場所にすべきだと気づき、環境保全、自然回復の取り組みをスタートさせました。小さな池作りから始め、多様な生物が住める環境を作りました。
-------環境の整備でたくさんの生き物が帰ってきたそうですね。
 人や動物が入らなくなった休耕田に田や池を作り、まず水生生物が目に見えた形で戻ってきました。今ではトンボやチョウがそれぞれ60種以上生息しています。このほか、地域に伝わっていたコガネグモ相撲を復活させ、毎年7月に開催しています。生態系のバランスがとれていた日本古来の生活を再生するため、炭や米を作るほか、水路を整備するなど、生活全般の分野に広がっています。
-------活動しているメンバーもいきいきとしています。
 新鮮な空気にあふれた自然の中で草を刈ったり土に触れると、疲れた体も翌日には元気になり「やってて良かった」と思えるのが自然の不思議なところ。それぞれの得手を生かして、やりがいや楽しさを感じることで生きがいの発見につながっています。
-------コミュニティビジネスも始めました。
 無農薬野菜や米、蕎麦や炭を生産、販売し運営資金に充てています。里山の保全や調査だけでなく、生産活動を行うことで、ここを拠点に「むら」機能の復活を目指すことで、知識や経験豊かな団塊世代が集まり、世代間交流が生まれ、地域の子どもたちが安心して遊べる拠点になります。
-------今後の活動は。
 近隣の家庭にチラシを配布して活動の説明会を開き、地域住民の積極的な参加を進めています。都会や郊外、海や山を問わず、地域の人同士声をかけ合い、これからの農村のあり方を具体的に考えていきたい。その中に子どもや若者も加わってもらい、自然の中でたくさんの経験をして命の大切さや様々な感情を体に染みつけてもらえればいいですね。