「好きなことをして人生豊かに」
63歳の現役東大院生 岡本寿郎さん講演

     
 63歳の現役東京大学大学院生、岡本寿郎さんの講演会「私の歩んできた道・夢をあきらめない」が9月25日、和歌山市内で開かれ、約120人が聞き入った。
 岡本さんは和歌山大学経済短期大学部卒業。在学中に和大事務官に採用され、37年間勤務した。56歳で退職し、東京外国語大学3年に編入。さらに58歳で東京大学大学院修士課程に合格し、現在は東大博士課程3年生で日系カナダ人を研究している。今年5月、半生をつづった『おじいちゃんは東大生』を出版した。
 講演会では、18歳の時にめざしていた大学に合格できなかったことがきっかけになり、「人に負けない何かを身につけよう」と、働きながら英検1級、通訳ガイド、国連英検A級を取得したと紹介。東京外大での2年間は一生で最も勉強したと振り返りながら、「好きな道を56歳でやっと見つけられました」。また、50歳を過ぎてからの学生生活について、「大学で、『保護者は来ないでください』と言われた。非常勤講師に間違われたことも」とユーモアたっぷりに語った。
 今後の目標として「1、2年のうちに博士号を取りたい」「身につけた知識を多くの人に伝えたい」ときっぱり。最後に、来年以降、退職し始める団塊世代に対し、「仕事人間は何をしていいか困っていると思うが、何でもいいから、自分のやりたいことをしてほしい。私も白内障など病気を持ちながら勉強にがんばっている。夢は実現しないかもしれないが、好きなことをして、人生を豊かなものにしてほしい」とメッセージを贈った。

写真=ユーモアたっぷりに体験を話した