手作りゲーム機 楽しんで
紀北工業高茶谷真吾さん 盲学校に寄贈

     
 紀北工業高校(橋本市神野々)電気科を3月に卒業したばかりの茶谷真吾さん(18)が3月2日、和歌山市府中の県立盲学校に発光ダイオード(LED)を使った手作りのゲーム機を寄贈した。笑顔で楽しむ盲学校生たちを見た茶谷さんは「こんなに喜んでもらえると、作った者としては嬉しい限りです。みなさんで楽しんでもらえれば」と話している。
 ゲーム機は光の動きを音とともに示し、タイミングを計って流れてきた光を止めるもの。電波研究部で活動していた茶谷さんが製作し、昨年(2006年)11月10日の「きのくに学びの日制定記念式典」に出展した。 
 会場で展示しているのを見つけたのが盲学校の生徒たち。実際に触れて体験できる展示物が少なかったことから、興味を持ち、ゲーム機を囲んだ。「とてもおもしろかったので、その場で茶谷さんに作ってくださいとみんなでお願いしました」と生徒会長の三栖寛晋さん(16)。
 依頼を受けた茶谷さんは、より使いやすいようにとサイズを小さくし、展示時に使用していた電球を、発熱がほとんどなく半永久的に使えるLEDに変更するなど、安全に改良。「失敗もしましたが、とにかく作りあげたい一心で」(茶谷さん)休みを返上しながら完成した“2代目”をこの日、寄贈した。
 贈呈式の後、久しぶりにゲームを満喫した盲学校の中学部、高等部の16人は嬉しそうな表情を浮かべていた。三栖さんは「生徒みんなで楽しめる話題になるだろうし、僕たちの後輩が、これからもずっと楽しめるように大切に使っていきたい」と喜んでいた。今後、このゲーム機の愛称を考える予定だ。
 紀北工業高の前中卓教諭(51)は「茶谷君は本当に熱心で、試行錯誤しながら1カ月以上かけて完成させました。市販のものとは異なるひとつだけの個性を出す意味でも、なるべく身近な部品や材料を使いました。パネルの表面に貼っているのは私の家にあった壁紙なんですよ」と笑う。茶谷さんは卒業後、高校で学んだ技術と経験、そして喜んでもらう嬉しさを胸に、電気関係の仕事に就く。

写真=三栖生徒会長(左)と握手する茶谷さん