舞台芸術身近に
ワークショップ1期生 若者や主婦ら12人発表

     
 和歌山舞台芸術ネットワークが市民対象に開いている舞台芸術ワークショップ1期生の発表会が3月21日(水)、和歌山市民会館市民ホールで開かれる。同ネットは一般の人に舞台芸術に親しんでもらおうと2年前から活動しており、ワークショップは一般市民に演技や舞台の醍醐味を経験してもらう初めての試み。メンバーは初舞台に向け、準備に余念がない。同ネットの大川仁史代表は「舞台に立つことが全く初めてのメンバーもいるが、大きな目標に向け団結している。いきいきと演じる姿を多くの人に見てもらいたい」と話している。
       
 同ネットは演劇、ダンス、日本舞踊、ミュージカルと舞台芸術全般の振興と普及を図ろうと2005年に結成。主に照明や音響などの裏方が集まり、表現活動に限らず、舞台の総合プロデュースを指導している。これまで「高校生のための演劇ワークショップ」と題して、高校生に演技や裏方の基本を教える取り組みのほか、小学生を対象としたステージ体験会を実施。また、発表の場を求める人に福祉施設の慰問先を紹介するなど、感動や芸術的感覚にふれる機会を増やし、舞台芸術をより身近に感じてもらおうと活動している。
 今回、取り組んだワークショップは、一般市民に呼びかけ、舞台づくりを体験してもらう初めての試み。昨年(2006年)4月から開講し、演技や音響照明機材使用について理論や実技を計20回にわたり指導。受講者は和歌山市などから集まった14歳から57歳までの12人で、台本から各自がイメージする舞台を紙粘土で作ったり、コミュニケーション能力を高めるゲームなど、人の力から機材まで舞台を支えるものすべてについて学んだ。
 このワークショップの集大成となるのが発表会。参加者は2チームに分かれ、「桃太郎」をテーマに、アクションやダンスを盛り込んだ台本を作成。配役を決め、現在練習に打ち込んでいる。
 主役の桃太郎を演じる信愛附属中学校の藤岡眞帆さん(14)は演劇を習っていた先生の紹介で参加することに。「大学生やお母さんの世代の人と一緒に舞台に立つのは初めて。恥ずかしさもあるけれど、発表するなら完璧にして当日を迎えたい」とにっこり。また、岩出市から参加する口井紀子さん(57)はおばあさん役。「芝居は初めてで緊張しますが、若い人と和気あいあいと楽しんでいます。定年になる前から自分に合ったものを見つけることは大切だと思う」と声を弾ませる。
 剣を使ったり、殴る、蹴るなどのアクションを指導する映見集紀さんは「『アクションは危険』というイメージを持つ人が多いですが、あくまで芝居の一つ。ルールを守れば安全で、誰でもできる」とし、寸止めなどぎりぎりの所で止める動作から互いの信頼関係が築かれる点を強調する。
 和歌山大学演劇部から参加の田中純平さんは「本格的な装置をさわることができて貴重な経験になった。初めて舞台にふれる人の芝居に対する考えや目線を知ることができたので、今後の演技に生かしたい」。
 大川代表は「誰でも入り込みやすい点が芝居の魅力の一つ。メンバーから伝わる心地よい緊張感に引き込まれ、同じ時間、空間を共有してもらえれば。一つのものを作り上げる楽しさを感じてほしい」と話している。
 発表会は午後5時から。無料。終了後、和歌山大学演劇部の卒業公演がある。また、同ネットは5月からのワークショップ受講生を募っている。希望者は四月末までに同ネット(073・422・5078)。

写真上から=軽快にダンスの練習に取り組む、当日に向け話し合う