(7)未来を担う心育てたい

妹背山護持顕彰会

松本惠昌会長(45)

        

-------妹背山の海禅院を江戸時代の姿に戻すのが目標です。
 海禅院は、紀州徳川家初代藩主頼宣の母、養珠院が家康の33回忌に際して人々の平和と幸福を祈り、お経を書いた石を妹背山に埋めたのがはじまりです。養珠院の思いに賛同した後水尾上皇や庶民も経石を寄せ、その数は20万個に及びました。男女や身分を超え、心をひとつにして祈った歴史的な意義のある場所です。しかし、時代を経て拝殿や唐門が取り壊され形は変わっています。海禅院を充実し復興させ、多くの人に和歌浦そして和歌山をもっと好きになってもらいたいと願っています。
-------発足から5年。経石の発掘は注目を集めました。
 発掘は復元整備にむけた調査をかねていました。3年かけ多宝塔の地下から約15万個を掘り出しました。経石一つひとつは祈りであり願いです。発掘は市民ボランティアの方に協力して頂いたのですが、時空を超えた人の祈りを手にして感じるところも多かったと思います。発掘した経石についての研究成果は前県立博物館副館長の菅原正明さんが「経石通信」とのタイトルで会のホームページ(http://imosefutatabi.net/)で公開しています。毎週更新し、先日、100号に及びました。
-------8月に片男波で開く精霊流しはたくさんの人を集めています。
 私たちは復元だけでなく妹背山を現代を生きる人の心を育む場にしたい。その思いからはじめ、これまで6回行い、多い時で1000人が集まりました。精霊流しは亡くなった方の弔いで、見えなくなった人と今を生きる人をつなぐ大切な行事です。特に子どもや若い人たちに、亡き人に思いをはせながら和歌浦の美しい情景を心の1ページに残して欲しい。それが未来を担う心を育てます。春の和歌祭、秋の万葉薪能とともに季節の風物として定着させたいですね。
-------今後の展望は?
 妹背山は和歌山で1番、全国で10番目に低い山ですが、眺めは本当に素晴らしい。これを前面に出し、「登頂証」を発行し観光振興につなげるなどアイデアはあります。和歌浦は時空を超えた感動を得られる場所です。それを大切にし、平成の世にふさわしい復元を果たしたいです。