将棋 今年から小・中の全国学校対抗戦
増える大会に子どもやる気

       
 個人戦のみだった小中学生の将棋全国大会に、今年から学校対抗戦が加わることになった。出場切符をかけて戦う県予選は中学生の部が6月10日(日)、小学生の部が24日(日)、いずれも和歌山市手平のビッグ愛で開かれる。このうち中学生の部は同一校から一チームに必要な3人を確保するのが難しいことに配慮し、市町村対抗形式で実施。県少年将棋大会実行委の伊達隆行さんは「ここ数年、盛り上がっている市町村対抗駅伝を参考にしました。将棋を通じ、子どもたちにマナーや忍耐力、向上心を身につけてもらえれば」と期待している。

◆上達めざし教室にぎわう

 日本将棋連盟は子どもたちに将棋をより広めようと、2年前から「文部科学大臣杯小・中学生将棋団体戦」を開催している。過去2回は都道府県ごとに小学生3人、中学生2人の計5人による選抜チームを編成し、出場する形式だったが、今年から学校対抗戦に変更。小学校、中学校の2部門あり、いずれも同じ学校に通う3人で参加する。
 この大会の県予選について、小学生の部は全国大会と同じ学校対抗形式で実施。一方、中学生の部は「県30市町村対抗」として開くことにした。大会実行委の伊達さんは「小学生の時に将棋をしている子が、中学生になると塾との兼ね合いでやめるケースが多い。1校に1人強い子がいても3人そろえるのは難しく、そんなケースでも参加できるようにしました。他校の子と出場し、仲間意識が芽生えるきっかけになれば」と話す。なお、全国大会出場権は同一中学校3人で出場した最上位チームが得られる。
 小中学生の将棋人口について詳細は分からないが、ここ数年の県大会参加者数を見ると、小学生は30人前後、中学生は20人前後でほぼ横ばいだ。「子ども全体が減っていることを考えると、将棋が好きな子の比率は少し上がっているように思う」と伊達さん。そのあらわれか、和歌山市内に20年ほど前はなかった子ども向け教室が現在は4カ所に増えている。

6月10、24日はビッグ愛で大会
 10日は個人戦の県小学生、中学生、女子中学生将棋名人戦と、県30市町村対抗中学校将棋団体戦。個人戦優勝者は全国大会の出場権を得られる。また、団体戦は個人戦の結果をもとに優勝市町村を決定。1人500円。参加受け付けは、中学生が当日午前9時半から10時まで、小学生は午後1時から1時半まで会場で。問い合わせは伊達さん(073・472・2614)。
 24日は小学生の部団体戦県大会。1チーム1500円。当日午前9時半から10時まで会場で受け付け。問い合わせは真田さん(同431・4235、http://www.jtw.
zaq.ne.jp/kid-shogi/)

 和歌山子ども教室は04年8月にスタート。第1、3土曜昼の練習日には小学1年から高校1年まで20人以上が児童女性会館(同市岡山丁)に集まる。みな腕を上げており、今年3月には西日本の50チームが参加した教室対抗戦で優勝した。指導員の真田正さんは「将棋に限りませんが、子どものころに何かに一生懸命打ち込むことで集中力が養われる。もちろん大会で優勝し、そのまま続けてくれるのはうれしいことですが、中学校に入ってから勉強や他のことに取り組んだり、社会人になったときに必ずプラスになる」と語る。
 毎週水曜夜に同市寺内の東部コミュニティセンターで開いているのは東部子ども道場。05年12月に始まった教室で、年長から小学6年まで16人が所属する。唯一の女の子、原郁乃ちゃん(2年)は「2人のお兄ちゃんが通っていたので始めました。今は15級。10級をめざしています」とにっこり。教室内トップの3級、田和醇也くん(4年)は「将棋を始めたのは1年の時。行けるところまで強くなりたい」と目を輝かせる。
 文科大臣杯団体戦以外にも、98年からキリンビバレッジ学生選手権、01年からJT日本シリーズこども大会、03年から小学館学年誌杯争奪全国小学生大会など、全国クラスの大会がここ10年で増加。子どもたちが目標を持って取り組める環境は整いつつある。
 伊達さんは「将棋は最後にどちらかが『参りました』と自ら負けを認めるゲーム。その瞬間の積み重ねが、困難に耐える力、忍耐力を養い、キレにくい強い心を育てる。また、負けた悔しさから『次に頑張ろう』と向上心にもつながるんです」と話し、さらなる将棋人口の拡大を願っている。

写真=真剣な表情で将棋を指す(東部子ども道場で)