小さいけれど大きな発見
6月10日 市民会館

     
 県立自然博物館が3月に広川町で開いたイベント「恐竜をさがせ」で、かつらぎ町の山本祥久くん(9)が日本最古と見られるネズミザメ類の歯の化石を発見。また、ビオトープ孟子ほかが5月に海南市孟子で実施した「赤ちゃんコガネグモを捕まえよう」で、和歌山大学大学院の山口雄司さん(24)が日本7大珍種グモの1つに数えられるカトウツケオグモを発見した。歯の化石は長径12センチ、クモは体長6センチといずれも非常に小さいが、“大きな発見 "を多くの人に知ってもらおうと、海南市船尾の同館は6月1日から化石を展示中、クモも6月15日(金)から紹介する。
        
わずか12ミリ ネズミザメ類の歯の化石
     
 「恐竜をさがせ」は県内で未確認の恐竜の化石を見つけようと、同館が2001年から毎年開催。10回目を迎えた今年(2007年)3月4日、広川町の白木海岸でせきつい動物の化石3点を確認した。
 このうちの1つ、ネズミザメ類の歯の化石を見つけたのが山本くんだ。ハンマー片手に探していたところ、くぼみのある石を発見。その対になっていた石を注意深く観察したところ、光沢のある歯が見つかった。
 発見した地層は白亜紀前期、1億3500万年前と見られる。国内で発見されたネズミザメ類の化石では最も古く、「世界的に見てもめずらしい」と同館。山本君は「サメの歯を探そうと思っていたので、見つけられて良かった」と喜ぶ。
 同じ日、エナメル質で覆われた硬いウロコを持つ硬鱗魚のウロコの化石を上富田町の柴田和彦さん(38)が県内で初めて発見。さらにどんな動物かは特定できないが、せきつい動物の骨片の化石を田辺市の原裕一くん(12)が見つけた。
 小原正顕学芸員は「これまでの『恐竜をさがせ』では研究上の成果はなかった。今回、せきつい動物の化石が3点も見つかり、正直ホッとしています」。
 化石3点は9月2日(日)まで同館で展示する。

写真=国内最古のネズミザメ類の歯の化石

     
たった6ミリ 日本七大珍種グモ
     
 一方、カトウツケオグモが見つかったのは5月27日。ビオトープ孟子と紀州えこなびとが七月に実施する「コガネグモ相撲大会」のプレイベント「赤ちゃんコガネグモを捕まえよう」で、大会に出場するコガネグモの幼生を探している最中だった。
 発見者はスタッフとして参加していた和大大学院生の山口さん。山口さんはシダ植物を研究しており、コモチシダというシダを標本にするため採取した。持ち帰る前にゴミを取り払おうと裏を見ると、鳥の糞のようなものがあり、講師として同行していた和歌山クモの会会長、米田宏さんがカトウツケオグモと確認した。
 同館によると、カトウツケオグモは網を張らない待ち伏せ型のクモで、小さな昆虫などを食べる。本州、四国、九州などに分布するが、個体数が少なく、発見されること自体まれで、詳しい生態は解明されていない。
 発見時を振り返り、「鳥の糞にしては左右対称なので、直感的に何かの虫だと思いました」と山口さん。「ただ、もし大学に帰ってからクモに気づいていたら、逃がして終わっているところでした…」。
 クモの展示は6月15日から。問い合わせは同館(073・483・1777)。

写真=海南市で確認されたカトウツケオグモ

春の孟子で里山発見隊 16人が自然満喫

 ビオトープ孟子と紀州えこなびとは5月27日、自然の中で遊びながら学ぶ「春の里山発見隊」を海南市孟子で実施。小学2年から6年まで16人が里山で春を探した。
 子どもたちはネイチャーゲームをしながら、新芽や花を観察。この後、木登りやトンボ池での泥んこ遊びを楽しんだ。木登りは最初、全く登れなかった子も1時間半ほどでかなり上まで行けるようになった。
 同様のイベントは今年、あと3回開く予定。紀州えこなびとの榎本純子さんは「子どもたちの笑顔に、こちらも笑顔になってしまいます。あと3回、もっと笑顔を増やしたい」と話していた。

写真=みんなで木登りを楽しんだ