「時空機動隊カイセー誕生
空手道場から温暖化防止訴え

     
 地球の環境を守るため、紀の川市にニューヒーローが誕生した。その名も「時空機動隊カイセー」-------。同市打田の空手道場「魁青会館森本道場」の森本博明館長(42)らが「環境問題に対して、子どもも大人も楽しみながら率先して取り組んでもらう契機になれば」と考案。4月1日の桃山まつりで華々しくデビューした。人類滅亡を企てる犯罪ロボット組織「ゲノム」から人類を守るため、今日も戦い続ける。
      
◆「僕が人類を守る 人が地球を守るんだ」
        
 9年前、空手道場を開いた森本さん。道場名の「魁青」には、初心を大切にすること、そして「人々の心を明るくできる、青空のような心を持つ人間を目指す」との意味を込めている。
 時空機動隊カイセーも「子どもたちの育成」を軸に約1年前から構想し、今年1月にプロジェクトがスタートした。現在携わるのは約30人。幼いころから仮面ライダーが大好きだった森本館長の子どもを思う気持ちと、「いくつになってもやりたいことをやる」行動力が形となった。
 4月の桃山まつりでは、瞬く間に子どもたちの人気者になった。しかし、楽しいだけのアクションショーではない。設定はこうだ-------。
 20××年、地球温暖化が進み多くの都市が水没した。しかし環境破壊は止まらず、ついに時空のゆがみが発生。普及していたロボットの一部が暴走し、水没した都市を棲み家に「犯罪組織ゲノム」と名乗り、時空を移動して環境を破壊した人類を絶滅に追いやろうと企てる。カイセーは人類を守るために立ち上がった。
 「やるからには本格的なものを」と、設定以外にもテーマ曲を作るなどこだわりは強い。中でも凝りに凝ったのは、キャラクターデザイン。テレビで活躍するヒーローさながらのキャラクターたちは、プロに依頼した部分もあるが、ほとんどがメンバーの手作りだ。カイセーのほか、ともに戦うセイバー、さらにゲノムには団長のキラー、刀の達人ソード、新たにバイオロイドを生み出すカノンなど、現在10種類のキャラクターがいる。
 大人はカイセー=正義の味方、ゲノム=悪役と考えがちだが、ショーを見た子どもたちの反応は異なった。道場に通う小学生は「どうして人類を滅ぼそうとするの? ロボットは人間が造ったんじゃないの? 環境を壊した人間を注意しに来たんですよね?」と森本館長に問いかけた。
 温暖化を招いたのは人間で、それを食い止める方法をキャラクターたちが楽しくわかりやすく伝えることで、子どもも大人もできることから始めようとの意識を持ってもらうのがねらいだ。「見た後に、『今日ショーの中でこんなこと言ってたね』と親子で会話をしてふれあいが増えたという声を保護者からもらった時は、手応えを感じた」と森本館長は微笑む。
 5月末から加わった新キャラクターSWATは、カイセーとゲノムの間で揺れ動く設定だ。MCやスタッフを含めて人間が一切登場しないショーの中で、人間役は観客。ストーリーはこれからも展開していく。
 プロジェクトの一員で門下生のひとりは「環境を良くするために何か行動を起こすことは、地球に対しての“作法"だと思う」。森本館長は「子どもたちに、今までの大人が作ってきたツケを残したくない。カイセーを通じて環境について自ら考えてもらえれば」と目を輝かせた。
 問い合わせは同道場(0736・78・2772)。

写真=左からカイセー、カノン、SWAT