漆の魅力 コラボで発信
海南出身の橋本知佳さん他業種とネットワーク

     
 現代にマッチした漆製品を生みだそうと、海南市出身の橋本知佳さん(27)が漆以外の他業種と連携を結ぶネットワーク「プラスウルシプロジェクト」を4月に立ち上げた。
 幼いころから実家の漆問屋を手伝い、漆の光沢に魅力を感じてきた橋本さん。接客する中、「いいものなんだろうけどね…」との反応や、漆器の産地を巡った時も「売れない」と悩む同業者を目にした。「漆業界の低迷は作り手、買い手、売り手それぞれの思惑にギャップがあるからでは」と考えた。
 漆の可能性を探ろうと昨年上京。起業を支援するMINATOインキュベーションセンターの職員として働き、様々な分野のビジネスマンと連携しながら、漆製品の買い手や使い手から意見を集めている。漆の産地である岩手県二戸市へ赴き、漆かきを体験。生産現場の実情も学んだ。
 プラスウルシプロジェクトは「漆の情報共有と、異分野とのコラボレーションにより新たな製品を創出し、市場を開拓しよう」と結成。漆業界だけでなく、主に建築家やデザイナーに呼びかけて情報交換や会合を重ね、今までにない製品誕生を模索する。
 結成前に橋本さんの実家で試作したのが、紀州材を使い漆を塗り込んだテーブルだ。従来の漆塗りテーブルと違い、実用性を重視。木目が見える透明に近い漆を使い、際立たせた。間伐材を使用し、森林資源の有効利用や紀州材のPRにも一役買った。
 和歌山の特産物を扱う東京のアンテナショップ「喜集館」で展示された際、「木目が見える漆は珍しい」「手ざわりがいい」などの反響があり、漆器以外とのコラボ商品に手応えを感じている。
 橋本さんは「幅広い分野と共同でコンセプトを考えて商品を作る。日本だけでなく海外にも発信したい」と意気込んでいる。問い合わせは橋本さん(chika_h@plusurushi.c
om)。

写真=漆塗りを施した椅子と橋本さん