献血運搬車「幸美号」を寄贈
印南町の岡本崇さん 亡き娘にあやかり命名

     
 地域医療に役立ててもらおうと、印南町の岡本崇さんが6月26日、日本赤十字社県支部に献血運搬車「幸美号-5」を寄贈した。約30年前、血液にかかわる病気で3歳の娘を亡くしたのをきっかけに始めた寄贈で、今回で5台目。県支部長の仁坂吉伸知事は「5台も寄贈してくれてありがたい。多くの人が助かっています」と感謝していた。
 小児がんと診断されていた岡本さんの娘、幸美さんは1975年に3歳で亡くなった。抗がん剤で身体を痛め、出血が止まらなくなった幸美さんの血液型はA型の非常に珍しいRhマイナスで、両親からの輸血ができなかった。その時にお世話になったのが献血運搬車だった。岡本さんは亡くなった娘の名にあやかり「幸美号」として血液運搬車を寄贈。以降、83年、91年、99年と寄贈を続けてきた。
 車体の側面に「幸美号」とあしらった運搬車は紀南を中心に県内外で活動。医療機関からの要望に応じ、和歌山市と田辺市にある血液センターから運ぶ。年間約5万キロ走り、初代幸美号の廃車時は、「名残惜しかった」と岡本さん。運転する岡本さんのそばを幸美号が走ると、「守ってくれている」と感じたという。
 岡本さんは「幸美号が走り回ってくれていることが心の安らぎになっています」。血液センターは「老朽化の激しい運搬車の寄贈は大変助かる。医療機関に届ける際に多くの人に見てもらいたい」と話していた。

写真=幸美号-5の前で