参院選 立候補予定3氏に聞く
7月12日公示 年金、憲法めぐり論戦

     
世耕弘成氏
阪口直人氏
国重秀明氏
早稲田大学政経学部卒業。日本電信電話株式会社(現NTT)に入社後、1998年に参院選に出馬し現在2期目。内閣総理大臣補佐官(広報担当)、自民党和歌山県連会長を務める。 早稲田大学教育学部卒業後、埼玉大学大学院修士課程、名古屋大学大学院博士課程で開発経済や平和研究。国連ボランティアや外務省職員、紛争地での平和構築活動に取り組んできた。 和歌山大学経済学部を経て日本共産党和歌山県委員会に勤務。「しんぶん赤旗」の記者を務めた。党県常任委員、県議団事務局長を歴任し2004年に参院選に立候補。

 年金問題や憲法改正で与野党の攻防が激しくなるなか、参議院議員選挙が7月12日公示、7月29日投開票で行われる。和歌山選挙区には共産党県常任委員の国重秀明氏(46、共産)、民主党県連副代表の阪口直人氏(44、民主)、内閣総理大臣補佐官の世耕弘成氏(44、自民)の3氏が立候補を表明している。3氏に、「年金問題の本質と解決策」「地方財政への対策」「憲法改正の是非とその理由」などを聞いた。(掲載は五十音順で敬称略。記事は7月5日現在)

-----年金問題の本質はどこにあると考えますか。また、問題解決に向けて何をどう変えるべきだと考えますか。
国重 10年前から膨大な記録が誰のものか分からなくなっていたのに、国民に知らせず抜本的な対策をとってこなかった政府の重大な責任。ただちに全受給者、加入者に納付記録を送ること、同一人の可能性がある全ての人に情報を知らせ、物証がなくても証言等を尊重して支給するなど、国の責任で一人残らず解決するべきだ。
阪口 昨年(2006年)から「消えた年金」の事実解明を訴えていたが、安倍政権は支持率が下がるまで全く無関心であった。政府の責任で早急に全ての情報を照合し、保険料の支払い額、受け取り額を確認できる「年金通帳」を発行する。一方、抜本的な改革案として、全ての年金を一元化し、税金(消費税)を年金の基礎部分に充てる。
世耕 社会保険庁の怠惰な体質が問題。解体し、職員は非公務員に。記録漏れは未統合年金記録の名寄作業を1年間で完了。時効を撤廃し、第三者機関設置で過去に遡った積極的な年金受給権の認定。社会保障番号や社会保障カードの導入。年金と健康保険・介護保険が一体となった簡素で平易な仕組みを構築する。

-----和歌山を訪れる観光客が年間3000万人を突破、和歌山大学に観光学部設置が進むなど観光面で明るい兆しが見られますが、展望をお聞かせ下さい。
国重 自然環境や文化遺産が豊かな和歌山県は観光地として優れた位置にある。また原子力発電所が県内に設置されていないことは、「観光立県」にとって大事。これから「団塊の世代」といわれる人が企業などを退職するなかで、今後の発展が見込める。
阪口 観光と農業を組み合わせるため「めっけもん広場」のような産地直送市場を各地につくる。また、果物狩りや、その加工などに参加してもらう体験観光プログラムを充実させ、環境・文化を考える参加型観光の中心地にする。
世耕 観光学部設置は人材育成や新たな観光産業創出に大きな期待がかかっている。今後、地方の雇用を支えている観光産業やサービス産業、行政機関、大学等の産官学が連携し、観光振興に対する支援が必要。
-----財政健全化法成立で、和歌山市の財政再生団体転落が懸念されています。国会議員として何ができ、何をするべきだと考えますか。また、どうすれば地方に活力を呼べると思いますか。
国重 地方財政悪化の原因は、90年代に国主導で「景気対策のため」と地方の借金を増やしながら公共事業を膨張させたこと、「三位一体改革」での地方交付税の大幅削減がある。地方交付税を拡充し財源保障機能を果たさせる。
阪口 大都市に偏っている法人二税(法人事業税、法人住民税)を地方税から国税にして、地方が自由に使える財源にする。行政サービスの充実や、地方の特長を活かした活性化などに投入することで、限られた財源を有効活用する。
世耕 地方法人税など税源が偏在するため、都市と地方の格差が拡大している。法人二税の見直しにより都市部の税収を減らし、安定した財政基盤確立を目指す地方の税収が増えるような税制改正が必要。地方自治体の税財源の安定に寄与できるような「ふるさと納税」も導入し、地域活性化を図る。
-----若者の人口流出がとまらず、県の人口が100万人を割るとの予想もあります。人口減少をくい止めるための私案をお聞かせ下さい。
国重 「規制緩和」「効率化」一辺倒で地方を切り捨てる路線を転換し、公共交通や医療・福祉・公共施設などの社会基盤を守る。地方自治体の財源保障をする。中小企業・農林漁業を応援する。これらが雇用の拡大につながる。
阪口 和歌山県には若者の雇用を吸収する企業・産業が少ない。和歌山を日本の「環境首都」にする戦略に立ち、バイオ、自然エネルギー、リサイクルなど環境関連の企業、大学、研究センターなどを誘致する。
世耕 ワークライフバランスを重視、仕事と子育ての両立を可能とする職場環境を整備する。すでに乳幼児加算を一律1万円に増加、育児休業給付を休業前の賃金の4割から5割に引き上げ等の対策を実施中。幼児教育の無償化等で保護者の負担軽減を図る。
-----座右の銘、もしくは好きな言葉を。
国重 草の根。
阪口 政治家は社会のロウソクであれ(身を削って社会を灯すべき)。
世耕 グローバルに考え、日本人として行動すること。
-----憲法改正の賛否と、その理由もお聞かせ下さい。
国重 日本を海外で戦争する国につくりかえる憲法改悪に反対。自民党などの改憲は、日本が世界に誇る憲法九条を変えること。アメリカにつきしたがってイラク戦争のような武力行使に参加することは許せない。
阪口 時代の変化に合わなくなった部分は、国民的議論の上、改正することがあっても良い。自衛隊の国際平和協力は、武力行使を明確に制約した上で、国際社会への責任も果たせるようにする。
世耕 憲法改正には賛成。自衛のための軍備保持、積極的な国際協力、行政機関の情報を知る権利、プライバシーの保護、良好な環境で生活する権利などの条文改正が必要。集団的自衛権は、憲法解釈の変更で行使できるように。
-----最近、感動したことはどんなことですか。
国重 大リーグ・パイレーツの桑田真澄投手が、初登板後、「『うれしい』しかない」と少年のような表情で語ったこと。
阪口 自転車で県下全域をまわっているが、ご自分が苦しい生活の多くの方々からやさしさと激励を頂くこと。
世耕 安倍総理が長崎市長殺害事件の直後にもかかわらず、怯まずに堂々と街頭演説に立った姿。