戦前の和歌山城 鮮明に
航空写真見つかる

 戦前に和歌山城天守閣を撮影した航空写真がこのほど発見された。旧日本海軍のパイロット、瀧本文明さん(故人)が写したモノクロ写真(縦12・2センチ、横17・0センチ)で、和歌山城をはじめ周辺一帯が鮮明に撮影されている。和歌山城管理事務所は「戦前の和歌山市街地の様子が分かる貴重な資料」としている。
 撮影は1929年(昭和4年)。同事務所によると、当時の新聞に「和歌浦に碇泊した第二艦隊の精鋭、ぼつぼつ演習地に向ふ、きのふ和歌山訪問飛行」とあることなどから、この艦隊に属していた瀧本さんが航空機で和歌山市を低空飛行し、その時に記念撮影したものと見られる。
 写真は1945年7月9日の和歌山大空襲で焼失したかつての天守閣をはじめ、本丸には上水配水池、二の丸北側に産業博物館、東側に販売館、西側に県立図書館が見られ、南の丸には動物園、西の丸には市役所の建物の一部がある。また、公園前には県議会議事堂、地方裁判所、岡公園には公会堂が写り、当時の町並みがよく分かる。
 同事務所は「航空機により上空から撮影した写真は現在の所は他はない。今まで古写真や文献史料などでしか分からなかった和歌山城の全体像が分かる。いずれ当時の絵ハガキなどとともに市民に直接みてもらう機会をつくりたい」と話している。

写真=往年の和歌山市街地の様子が分かる貴重な写真